私の王子様は、超ドSでした。[ 2 ] (ページ32)

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２人で校舎を出ると、もうすっかり夕方。

いつか見た夕日と同じようにきらめいていた。

琥珀「…そういえばさ、」

A「ん？」

琥珀「このピアス、覚えてる？お前がくれたの、」

A「え、そうだったっけ?!似合ってるって思ってたの」

結構好きだったんだよね、このピアス。

先輩のチャームポイントみたいで、よく似合ってるし。

でも、まさか自分がプレゼントしたものだったなんて(笑)

琥珀「そん時から、気にしてたんだよ」

A「そんな前から?!」

琥珀「俺、こう見えて一途だから」

先輩の目には私の姿が映っていた。

それは、先輩が私だけを見ていてくれているっていう証拠。

こう、改めて見つめられると、なんだかすごく恥ずかしくなる。

琥珀「な、なに照れてんだよ」

A「はっ、はい?!そ、それは先輩もでしょ!!」

琥珀「いや、これはただ…。夕日のせいだっつーの」

照れ臭くなって、目線を合わせてくれない先輩。

でもちょっと気にして、こっちをチラチラ見る先輩。

夕日のせいだとか言っちゃう、意地っ張りな先輩。

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琥珀「……あ、A」

A「な、なんでしょう」

琥珀「…今日から、先輩って呼ぶの禁止な」

A「ええっ!?…っと、それはどういうこt((琥珀『１回で理解しろバカ』

『バカ』『バカ』って。そんなにバカにしなくても…。

確かにバカだし、鈍感だってわかってるけど…。

琥珀「…俺は、名前で呼んでほしーの」

A「な、なまえ…？」

琥珀「…何。嫌なの？」

A「…やじゃないです、」

嫌じゃないし、呼んでもいいのならぜひとも呼ばさせていただきたい。

でも、ほら、今まで〝先輩〟って言ってたわけで。

少し、というかかなり恥ずかしいじゃないですか。

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あー。あれこれ考えているうちに先輩の顔はどんどん不機嫌に…。

これが演技だと気づくのにはまだ時間がかかるんですよね。

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