拾われた女Ⅲ (ページ7)

今日:6 hit、昨日:60 hit、合計:27,922 hit

87 ページ7

.

黄泉月さんがカードをシャッフルし終え、ゲームが開始された。

淑光「…パスかセットだったわね。

セット、ハートのK」

るな「おっ、初っ端から10が出たか！？

それとも嘘吐きか！？」

モニターには「10」と表示される。

だが、宣言通りに表示しているだけなので、これが本当の数字なのかは分からない。

……やっぱり…このゲーム…

いや、全てのゲームで、淑光が有利になるような気がする。

結局、このスワサント・トロワも嘘(・)が上手に吐ける者が勝利する。

…もし、私が淑光や凜相手にこのゲームをしていたら……追い込まれていたかもしれない。

.

ユメミ「…セット、ハートのエース」

夢見弖さんは宣言した後、夢子に視線を向けた。

ふむ、夢子と情報を共有するつもりか。

………だが、夢子は夢見弖さんに視線を返すことはなかった。

『……？』

………あれ？

もしかして、夢子…

(怒ってる………？)

夢子「…夢見弖さん、私は1人で戦います」

ユメミ「…！？」

夢子「夢見弖さんは名足さんを畏れている。一生後塵を拝してもよいと思っている。

高みを望みながら、自分の限界を自分で作り出し箍を嵌める……その愚かさに心底呆れました。

…セット、ハートの2」

……まさか…ここに来て共闘をやめるなんて…

恐らく夢子は本気で怒っている。

このままいけば………きっと夢見弖さんは負けてしまうだろう。