拾われた女Ⅲ (ページ41)

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ミラ「100票勝って150票の支払い…！勝った皇が実際には負けていた…！」

茨「ハッ、なんだそりゃ！

俺達と戦いながら、お前らは150票を賭けた鉄火場にいたってのか！」

…百喰一族の名は伊達じゃないって事か。

分かってはいたけど…

夢子「…私と貴方でギャンブルを企画した時、既に考えていらしてたんですね」

夢子が定楽乃さんに声をかける。

定楽乃「あぁ。お前だって、私が何か仕掛けることぐらい予想していただろう。その上で声をかけた。

_____違うか？」

やり取りはそこで切られたが、夢子は定楽乃さんの発言を肯定するように黙っていた。

………見ていて思ったけど、夢子と定楽乃さんは正反対だな。

夢子はきっと、定楽乃さんのような戦い方は絶対にしないのだろうな。それだけは確信出来る。

楓「何故俺を勝たせた！？」

…すると、黙っていた豆生田さんが伊月に詰め寄った。

楓「俺の勝利にはお前の協力が必須だった…何故自ら負けを選んだ！？

お前の野心は、その程度のものだったのか！？」

…豆生田さん、きっとそういうわけではないと思います

夢子「まだ分からないんですか？」

すると、夢子が彼に近寄る。

夢子「豆生田さんって、びっくりするほど鈍感なんですね！」

…ど、鈍感…

夢子、はっきり言うなぁ…確かにそれは分かるけれど…

伊月「ぷっ、あはははは！！おっかしー！

いいですか？先輩」

そこから伊月が語り始める。

伊月「等々喰さんに外ウマを持ちかけられたとき、私気付いちゃったんです。

互いの脱落を賭けたギャンブル…

でも私にとっては勝利しかないって」

伊月は言葉を続ける。

伊月「だって豆生田さんが負けるなら、;その程度(・・・・)の男なら、私は大量の票を得られる。

豆生田先輩が勝ったら、票は失うけれど、豆生田さんが耄碌してないって分かる。

私にとってこの外ウマは両勝ち。どちらに転んでも美味しいギャンブルだったんです！」

楓「…訳の分からんことを言うな！そんなもの_______」

夢子「もちろん、誤魔化しですね」

夢子が遮るように言う。