112 ページ35
.
そして合議は終了し、5人は銀貨を投じに行った。
あっという間に結果発表が来る。
美亜「第４ターン、終了ですぅ〜！
さてさて、空前の0枚宣言が飛び出した第4ターン…税金BOXに入っていた銀貨は…」
宇留留さんが銀貨を出し、枚数を数える。
さて、どうなるか…
場の全員が息を呑む。
美亜「25枚〜！つまり全員5枚全て納税ですぅ〜！
配分は1人10枚！4ターン目に来て初の納税率100%ですぅ〜！」
『…！』
茨「よっしゃ！」
よかった…！夢子達の策が功を制したって事だ。
美亜「5人ともが5枚納税！これは素晴らしいことです！
不公平であること、互いを信用出来ないことを前提に、手段を選ばず心を一つにすること…！
これぞ公共財の真髄…！
こんな展開に立ち会えて、私は幸せ者ですぅ…」
…本当、流石だな。
裏切り者に納税をさせる為に、リスクの高い大胆な戦略を取る……実に夢子達らしいし、驚かされることが多い。
美亜「それではラスト5ターン！開始いたしますぅ〜！」
宇留留さんが開始を宣言すると、夢子が豆生田さんの方を見た。
夢子「…どうですか？豆生田さん。
先程のターン、貴方にはどこまで見えましたか？」
楓「あぁ、全て見えた。だから追放しよう」
豆生田さんの唐突な提案に、残りの3人は困惑し始めた。
茨「はぁ！？今全員円満に5枚納税したばっかだろうが！
裏切り者は尻尾も掴ませなかったじゃねぇか！」
…なるほど、さっきの作戦は全員に納税させると同時に、裏切り者を炙り出す為のものだったのか。
楓「いいや。むしろそれで確定したんだ。
お互いを信頼することと必須の公共財ゲームにおいて、初めから信頼することの無かった者…
銀貨を操っておきながら、何喰わぬ顔でとぼけ、我々の信頼を破壊した者。
裏切り者の名は…」
豆生田さんは前に出て、ある方向に指を指した。
私もそれに釣られ、その方に目を向ける。
『…！！』
ま、まさか…裏切り者は____________
楓「骨喰ミラスラーヴァ！並びに…
________皇伊月！お前だ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サナ | 作成日時：2022年5月23日 18時
