拾われた女Ⅲ (ページ22)

今日:54 hit、昨日:16 hit、合計:27,910 hit

99 ページ22

.

茨「ちょっと待て。

報酬って、んなモン誰がくれるんだ？」

定楽乃「もちろん私が払う」

定楽乃さんが間髪入れずに返す。

定楽乃「言ったろう。お前達から票を奪うつもりはないと。

私は私の持つ133票を全て差し出そう。

これは胴元から票を掠め取るだけの楽なゲームだ。

綺羅莉に対抗する為には、大票を持つ者が多い方が良い。たとえ仲間で無くともな。

ただし…

足を引っ張る者は必要ない」

『…。』

…定楽乃さんのしたい事は分かった。

でも……どこか引っかかる。

「綺羅莉さんに対抗出来る人材」の中に、定楽乃さんは何故自分を入れなかったのだろう。

ただの偶然？………いや、そんなミスを定楽乃さんがするとは思えない。

それとも_________定楽乃さんは何かもっと別の事を企んでる……？

そんな気がしてならない

美亜「最後にぃ、ゲーム終了時に銀貨40枚を達成出来なかった者には…

所有する全ての票を、等々喰様に支払う事としますぅ〜！」

茨「ハハッ！無茶苦茶だな定楽乃！！殺す気満々じゃねぇかよ！」

定楽乃「集約だと言ったろう。集約の為には整理が必要だ」

定楽乃さんは淡々と返す。

…なるほどね。

プレイヤーの結果次第では、定楽乃さんにも票が渡る仕組みになっているのか。

果たしてそれが実現するのかどうか…

茨「ハッ！相変わらず喰えねぇ女！」

茨はそう言った後、少し考え込む仕草をし、頭を上げた。

茨「…いいだろう…

どうやら俺はこのギャンブルがやりたいらしい。ならやらなきゃ気持ち悪ィよな！」

ミラ「私も異存はない」

夢子「なんだかワクワクしてきます！」

楓「…なんだっていい」

次々とプレイヤーが合意していく。

伊月「……」

美亜「皇様はどうしますぅ？」

宇留留さんに聞かれた伊月は、少し豆生田さんの方を向いた。

そして____________

伊月「…合意します！」

最後に伊月が合意した事により、ギャンブルは成立した。

さて、どうなるのか…