拾われた女Ⅲ (ページ16)

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『…え？わ、私？』

私は聚楽さんの発言に戸惑う。

…え？お金でもなく、私？

目をぱちくりとさせている私に、聚楽さんはくすくすと笑いながら言葉を続けてきた。

幸子「もしお前が負ければ、私専用の家畜になる。

家畜になったお前は私に絶対服従だ。拒否権もない。

私が死ねと言えば、お前は死ぬんだ」

細長い指が首筋を滑ってくる。

『…ッ』

……やっぱり。この人は私を使役したくてここに来たんだ。

もし負ければ私は家畜に堕ち、佐渡さんのように首輪を繋がれ使役される。私は文芸部にいられなくなる。

それは絶対に避けたい…

何より__________

幸子「もしお前が勝てば1500万……いや、合わせて500万もやろう。

どうだ？意欲が湧いてこないか？」

…どのみち、断る余地は無さそうだ。

『…わかりました。よろしくお願いします』

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芽亜里「…！！」

つづら「す…すごい…」

幸子「ほう…？」

私の目の前には、大量のチップが積み重なっている。

みくら「……最終ターン。聚楽様がフルハウスに対し、

尾喰A様はストレートフラッシュ。

よってA様の勝利となります」

ディーラーである佐渡さんがそう宣言した。

…まるであり得ない、と言いたげな表情をして。

『……私の勝ちですね、聚楽さん』

幸子「フフフ…お前は私の期待以上の奴だったようだ…

ますますモノにしたくなった」

聚楽さんは負けたと言うのに、「面白い物を見た」と言うように笑っていた。

そして聚楽さんは躊躇いもなく、2000万円分の札束を置いていく。

幸子「また来るよ。今度こそはお前を手に入れる」

…とだけ言い残し、佐渡さんを連れて出て行った。