エマの姉.【約束のネバーランド】 (ページ8)

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6話ページ8

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執務室には紅茶の香りとインクの匂いが微かに漂っていた。
机の上には大量の本や書類が散らばっている。
クッキーの空の袋も床に落ちている。
…拾って。

そんな生活感溢れる雰囲気があるのに、今の状況はそれと似つかわしくなかった。

交わされているのは、ただ突き刺すような視線と
現実から逃れたくてどこか落ち着きのない視線だった。
まさに蛇に睨まれた蛙。

「単刀直入に聞こう。君、＂63194＂を知っているか」

『……はぁ…』

… あーついにこの日が来てしまったな。

ノーマンはエマと知り合いだし、エマというGFの特上の姉ときたら、Λのデータにも綴られているかもしれない。

いつ知られてもおかしくなかった。相手がノーマンなら尚更。

…はぁ。なんで私はモブになれなかったんだ。
泣きそう。

「君のデータに【63194と血縁関係有】と描かれていてね。
僕はその子と親しいんだ…何か知ってるか」

『…知りませんね。その63194やらが私と血が繋がってるって事になるんですか』

「そうだな…君はエマの姉という立場に当たるかな」

『………。そうでしたか、驚きました』

紅茶を口にしながら平気なフリをしている。
本当は内心とても焦っている。平常を装おうとして冷たい感じになってしまってが、大丈夫だろうか。

…正直なところ、エマとは1番関わりたくなかった。
何故なら、彼女は主人公だから。

世界を回す1人の女の子なのだから。
私が介入して悪い方へ変えたくない。
あの＂終わり方＂こそがハッピーエンドなのだから。

だから私の事なんかほっといて、ノーマンは絶滅計画を立ててくれたら…。