5話 ページ7
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「…失礼する」
『…どうぞ』
やっぱりヴィンセントだった…。
この人とはあまり関わりないけどオシャレだな、という印象はある。
でも実は少し苦手でもある。
小言が多いし、ボスの推しが強すぎて価値観が合わない。つまり付き合い辛い。
前、記入漏れを発見すると『もっと確認するように』やら『管理能力が足りない』やら色々言われた。
疲れてたからメンタルに響いた。
管理長も大変なんだよ。
……でも紅茶は美味い。
『…いやーこれはヴィンセントさん。
ボスの右腕であろう貴方が何故
あ、もしかして何か不都合でも?それともご要望でも…ハハッ…』
…それにしてもよく回る口だな。この焦っている時にペラペラと無駄口が出る癖は何とかならないのだろうか。
あと何しに来たんだ。
クレームならさっさと言いつけてくれ………。
子供達も怯えてるんだ。
さっきから「何かしたかな…」と不安げに呟いてるのも聞こえちゃったし…
『…何の御用ですか。苦情なら私が受け付けますが』
「ボスが君を呼んでる。それを知らせに来ただけだ」
『は』
…さらに汗が伝っていく感覚がした。
私がボス…ノーマンから呼び出される?
確かに時々、報告会で会うことはあるけど…
ミスはしていないはずである。
余程何かがない限り、あり得ないのだ。
「案内する。…いいな?」
身長高いせいか否か、見下ろしてくるヴィンセントの圧はどこか怖い。
本当に18歳?
『そんな顔しなくとも行きますよ…。』
…溜め息混じりで返事した。
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作者名:サナ | 作成日時:2020年9月22日 17時