33話 ページ38
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エマが七つの壁に出立してから次の日。
ノーマンの計画も進行され始めたのか、いつもと違ってピリピリしていた。
シスロとバーバラはいつものように接していたが、どこか落ち着きのない様子だった。
きっともう、作戦の決行日が決まったんだろう。
私はというと、いつも通りだった。
…いや、いつも通りとは言えないかもしれない。
ここのところ、仕事が捗らなくてよく体調を崩すことも多い。
発作の頻度もまた少し上がった気がする。
「管理長、無理しないでください!これは僕がやっておきますから!」
『…うん、ごめんね。ありがとう』
……ああ、もうどうしちゃったんだろう。
前はこんな事はなかったのに、今は本当に何をするのも億劫で疲れやすくなっていた。
(もしかして、私病んでる?)
…まさか、そんな事あるわけない。ただの倦怠期だ。
『…ハハッ』
とりあえず何事もないように振る舞わないと…
あの2人にだけは心配をかけたくない。
必死に命懸けで戦っているのだから、余計な事で悩まないでほしい。
『…………ハァ』
このとき、もっと早くに気付いていればよかった。
自分の心が割れ始めている事を──────────
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(…ああ、面倒臭い…)
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──────────ピシッ
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Part.2へ続く
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作者名:サナ | 作成日時:2020年9月22日 17時