エマの姉.【約束のネバーランド】 (ページ36)

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32話ページ36

エマside

あっという間に時は経ち、いよいよ出立の時間となった。

七つの壁に行くのは、もちろん1000年前から続いている約束を変えるためだけど、

それは鬼を滅ぼそうと画策しているノーマンを止めるためでもある。

「………よし」

夜空に満月がぽっかりと浮かんでいる。
七つの壁に行くために必要な金の水も、ヴィダもちゃんとある。

…うん、これなら行けそうだ。

.

　

『無事に帰ってきてね』

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ふと、そう言ってくれたAさんの声が蘇る。
あの時のAさん、なんだかとても目が悲しそうだった。

少しでも揺さぶるとすぐに泣き出してしまいそうなくらいだった。

もしかしたら、何か私達の想像以上に辛い事を抱え込んでいるのかもしれない。
それも、相談しても解決出来ないような…

…シスロとバーバラは、知ってるのかな。

「おい、エマ。何ボーッとしてるんだ。…行くぞ」

「！あ、ごめん！」

…いけない、これから出立なのに。

気を取り直して、GPから取ってきた金の水にヴィダを刺す。

手首にナイフで小さく傷を入れ、血を注ぐとヴィダの花が開き始めた。

やがて血を吸って赤く染まっていく。

「…それじゃ、行ってきます！」

後ろに、見送ってくれる仲間達を見ながらそう言うと、ふっと意識が途切れた。

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.

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…次の瞬間には、もう＂入り口＂が目の前に立っていた。