エマの姉.【約束のネバーランド】 (ページ25)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:164,871 hit

22話ページ25

.

.

ノーマンの部屋…執務室に辿り着いて、エマがドアをノックする。

「ノーマン」と言おうとしていたのだろうが、その声は不自然に途切れた。

中にはノーマンじゃなくて、見た事のない奴らがいたからだ。3人も。
……誰だ？＂ボス＂の部屋なのに寛いでるみたいだが。

すると、その3人は一斉にこちらを見てくる。
　

「誰？」

「初めましてレイです」

「エマです！B06-32シェルターから来ました！」

「昨日合流した脱走者の方々……おや？」

「え、なにヴィンセント……って、コイツ！！」

そいつらはエマを見るなり、目を見開いて驚いている。

その内の1人の、赤いパーカーを着てる女の人はエマに近付いてかなりの至近距離になった。

これでもかというくらいにエマを鋭く見つめていて、エマの体が少し後ずさるのが見える。

……なんだコイツら。会ったこともないのに何故こんなに食いつく？

「…あの、なんすか。エマに何かあるんですか」

自分でも不機嫌だとわかるくらいの声を発した気がする。
思わず目をジトっと低くさせると、フォローをいれるかのように後ろから声がしてきた。

「おい、バーバラ離れろ…すまねぇな。

ちょっと…いや、めっちゃ＂あいつ＂に似てるからよ」

「……！！あいつ？」

　
そう言われて、昨日ノーマンと会った直後の事を思い出した。
閃光が走るかのように記憶が蘇る。

.

それはノーマンに部屋を案内されている時。
階段を降りている時、ふと周りを見渡すとたまたまソイツと目があったのだ。

「………は？」

…久々に自分の目を疑った。

何もかもエマとそっくりだった。
あのアホ毛もオレンジの髪も、深い翠の瞳も。
面影もあった。

長い髪を揺らしていて、周りにいる子供達よりずっと大人に見えた。

　

(あいつ………どこから来た？)

でもまるで＂血が繋がっている＂ようだった。

　
……何故か、あっちは俺を見るなり逃げたが。
一瞬のうちにしか見ることが出来なかったが。

あの姿は強く脳裏に焼きついた。

　

そしてあいつは確実にエマと血縁関係があるだろう。
早くもそう確信した。

.

　

(また会えたら………

いや、何考えてるんだ、俺…)