エマの姉.【約束のネバーランド】 (ページ22)

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19話ページ22

※回想？みたいな感じです。

……

ノーマンside

それはΛを離れてから少ししたあの日の事だった。
Λの職員から＂盗って＂きた資料達を確認していた時にその少女を知った。

忌々しく、軽々しく食用児の写真にバツ印が付けられている資料を退け、アジトに来た子達のデータを確認しようとファイルから取り出した時。

手のひらから一枚だけヒラヒラと舞い落ちたのだ。

　

「あっ」

思わず声を出すと、ヴィンセントがそれに気付いたのか拾ってくれる。

「…Λの子達のデータか」

少し苦虫を噛み潰したような顔をしたヴィンセントを
見て僕も眉を顰める。

仕方ない。子供達に罪はなくとも、やっぱりΛを思い出すとどうしても不快感が隠しきれなくなるんだろう。

そう思いながら、ヴィンセントから渡されたデータを
ちらりと一瞥する。

「…ッ！？」

次の瞬間、僕は久々に目を開いて驚いた。

鮮明にコピーされた証明写真には、エマとそっくりの少女が映っていた。

　

オレンジ色の髪、翠色の瞳…何よりつむじから伸びている触覚のような毛がさらにエマを連想させた。

流石に髪型は違うが、やっぱり面影がある。

「…ボス？」

そんなヴィンセントの声に、返事もし忘れるほどにデータを凝視する。

名前はA、出身農園、年齢、血液型……

それらを見ていくうちに更なる情報を発見する。

「【特上・63194との血縁関係有】……？」

63194…確かにエマの番号だ。

ああ…

やっぱり…やっぱり…！！
この子の年齢からして、エマの姉にあたる人なんだろう。

一気に心臓がバクバクとする。柄にもなく興奮しているのを隠しながら、ヴィンセントに声をかける。

「…ヴィンセント、Aを呼んできてくれ」

────

──────────

　
『………はぁ…』

人のプライバシーを散々見た上に、自分から近付くなんて。

でもΛから脱走した子達の為に用意する薬の数を予め把握しておく必要があった。

そう言い訳して、正当化しながらも僕は少女に問いかける。

「君、──────────」