10話 ページ12
※今回も引き続き残酷描写があります。
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ベッドから起き上がり、身支度しようと出口まで向かっていく。
しかし、どうも呼吸がし辛くて歩く事さえも息が切れてしまう。
…あ、久々にやばいかも。
『ハァッ……ハァッ………』
薬は？確か別室に置きっぱなしにした。
なんでこんな時に。
誰かに取ってきてもらう？いや、無理だな…。
くらりと目眩がしてドサッと床に倒れ込む。
やばい、動けない。汗の量が尋常じゃない。
��誰か助けて��、
そう思えば思うほど、あの地獄が目の裏に映像のように流れ込む。
悪夢が再び────
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ぬるりと赤黒い血が足元に流れても誰も拭いてくれやしない。壁や床に血が乾いてこびりついている光景は今でも鮮明に覚えている。
注射に抵抗して暴れると、気絶させられ力づくで針を刺す。
泣けば「うるさい」と殴り、逃げようとすれば��用無し��と言われ鬼の餌食になる。
酷いのでは、密室に鬼と閉じ込められて時間内に逃げるものがあったり、生きたまま体を解剖されていく
無残なものがあった。
私はされなかったが、偶然その場を通りかかって床に胃液をぶちまけた。
………ああ、ああ…嫌だ。
時間が経つごとに記憶が色をつけ始める。
咽せ返るような血の匂い、鼻につくような薬の匂い、
「助けて」と泣き喚く子供達の声、手に繋がれた鎖、
大人達の罵声や冷ややかな視線、死んだ目で鬼に連れて行かれ泣きながら実験から戻ってくる子供達、
繰り返される暴行、毎日増えていく死体。
怖い、たすけて、しにたくない、でもらくになりたい。
シスロとバーバラにあいたい。
ああ、怖い怖い怖いごめんなさい、ごめんなさいもう殴らないで薬を入れないでもう誰かを殺さないでなんでもいうことききますから───────
私に話しかけてくれた子だって鬼に連れ出されてそのまま戻ってこなくなった。
ころされたのだ、実験で。
その記憶がとどめになったのか、視界を閃光が走る。そのまま意識を失った。
────────バンッ！！！！
「Aっ！？！」
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作者名：サナ | 作成日時：2020年9月22日 17時
