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*一人土砂降りの中庭で ページ32

昨日の件があって、翌日。
タイミングがいいのか悪いのか、今日の仕事はない。
本来なら滅多にないオフの日だから、Aと一緒に過ごそうと思っていた。

だけど……昨日ボスから話を聞いてから、どうにも会いに行けず、なんとなく一人で寮の中庭に来ていた。

Aの過去、学園時代でのいじめ、双子の弟である八雲の存在。
引っかかっていたことは、ボスから一通り聞いた。
全部、俺が知らなかった……いや……知ろうともしなかったことばかりだった。

Aの全てをわかっているつもりで、何もわかっていなかった……
パートナーとして……恋人として、ずっと近くにいたのに……
俺は……今までAの何を見てきたんだ……?

そう思うとあまりにも情けなくて、悔しくて……
どう向き合えばいいのか、わからない……


「こんな土砂降りの中、何男が一人で黄昏れてんっすか」


一人考え込んでいると、不意に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
声のしたほうを見て見ると、できれば今は会いたくない人物がそこにいた。


レン「……なんでここにいるんだい?八雲」

八雲「同じ事務所にいるんっすから、別に不思議なことないっしょ」

レン「……?同じ、事務所?」

八雲「……まさか気づいてなかったんっすか?俺、一応シャイニング事務所のアイドルっすよ?いわばあんたのちょい先輩」


一瞬ふざけてるのかとも思ったけど、この間と違って表情はいたって真剣。
嘘……ではないみたいだね。
かなり、複雑な気分だけど……


レン「じゃあ、なんの用でここに?また冷やかしにでも来たのかい?」

八雲「んな暇人じゃねぇっつの。そっちこそあいつんとこ行かなくていいんっすか?」

レン「……Aには、今は、会えない……」

八雲「は?会えない?あ、もしかして、俺が帰った後なんか修羅場った感じ?あんたらほんとに昼ドラ夫婦かっつーの」


相変わらず、腹の立つ煽り方をしてくる。
前のはボスの指示だって言ってたけど、今回は明らかに故意だな。


レン「はあ……悪いけど、今はそっちに付き合う気はないよ。用がないなら、何処かへ行ってくれ……」


自分でも驚くほど力のない声だと思う。
けど、怒る気力なんて、今の俺にある筈もない。

そんな俺の様子から察してか、八雲もそれ以上悪態をつくことはなかった。




.

*似ている二人→←*複雑な心の内 −真斗side−



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作品ジャンル:アニメ
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十九 雷音(プロフ) - RUIさん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!!大丈夫です!年明けからまた二作増えますし、カミュもまだ続いておりますよ!!← こちらこそいつも支えられっぱなしで感謝しております( ノД`)…今後も頑張らせていただきます!! (2016年12月30日 12時) (レス) id: ef2046c8bb (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - ああああああ、この作品も終わってしまったぁぁぁ!!雷音さんお疲れ様でした!!本当に素晴らしかったです;;;;私のリクエストにも答えていただき本当に感謝してもしきれません;;;;これからも応援してます!頑張ってくださいね♪ (2016年12月29日 16時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» あー……(´・ω・) まなさんもお忙しいのでしょうか(´・ω・) (2016年5月18日 14時) (レス) id: abb4063eb2 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» それなら、よかったです!!最近、まなさんもボードに来られないので寂しくて……(´・ω・`) (2016年5月18日 4時) (レス) id: 53c9c73951 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ありがとうございます・゜・(つД`)・゜・ 体調のほうは、辛うじて大丈夫です(^-^; 申し訳ないです(>_<) (2016年5月17日 8時) (レス) id: abb4063eb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2016年1月28日 0時

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