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*拒絶の意思 ページ8

トキヤ「ところで睦月さん。少しよろしいですか?」


セッシーの指導のもと、Aも少しずつコツを掴んできた頃、イッチーが口を開いた。
イッチーから声をかけるなんて、珍しいね。


トキヤ「このところ、ずっと病室にこもりっきりだと聞きました。狭い空間に閉じ籠っているのはよくありません。もし、体調がよろしいようでしたら、たまには、外を散歩してみるのも……」

A「何?説教?あなたが私に……?いい度胸だね……」


さっきまでの子供のような表情は消え、また不機嫌そうな顔に戻ってしまうA。
最初に俺を拒絶した時と同じ、親の敵でも見るような目……


レン「イッチー。嫌がるレディを無理矢理外へ連れ出すのは、野暮じゃないかい?」

トキヤ「確かに、今の睦月さんの状態では、無理強いはしないほうがいいのかもしれません。ですが、そうやっていつまでも甘やかしてばかりでは、回復も遅れる一方です」

レン「それは、そうかもしれないけど……」


イッチーが言うこともわからなくはない。
事実正論だとは思う。
でも、ただでさえ不安定な状態なんだ。
あまり無理をさせて、余計に苦しい思いをさせたくはない……


A「……て……って……」


俺とイッチーがもめていると、Aが何かを呟いた。
声が小さくて、何を言ったのかまではわからない。
どうしたのかと聞き返そうとした瞬間、Aは手を払いのけ、俺達全員を睨む。
まずい……!!


A「出ていって!!全員今すぐに!!あんた達の説教なんか聞きたくない!!出ていけ!!早く出ていけ!!」

レン「A……!!」


さっきのイッチーの言葉が引き金になったのか、感情的になり、俺達を拒絶し始めるA。
咄嗟に俺はAを抱き締めたけど、Aは落ち着く気配がない。
俺の胸を乱暴に叩きながら、出ていけと繰り返す。
それでも俺は、Aを離そうとしなかった。


セシル「レン!!このままではアナタが怪我をします!!」

レン「俺は、大丈夫だから……ごめん、皆。悪いけど今日は……」

音也「で、でも、こんな状態で……」

レン「レディは俺がなだめておくよ。だから、今は……」

音也「う、うん……ごめんね、二人とも!!落ち着いたらまた、お見舞い来るから!!」


そう言って、皆、申し訳なさそうな表情で病室を出ていった。
悪いことをしてしまったな……
そう思いながら、俺はAの気が済むまで、ただただ抱き締めて、沢山の罵声を聞いていた。




.

*外は怖い→←*久しぶりの



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設定タグ:ST☆RISH , うたプリ , 神宮寺レン   
作品ジャンル:アニメ
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十九 雷音(プロフ) - RUIさん» お返事遅くなってすみません!ありがとうございます!!大丈夫です!年明けからまた二作増えますし、カミュもまだ続いておりますよ!!← こちらこそいつも支えられっぱなしで感謝しております( ノД`)…今後も頑張らせていただきます!! (2016年12月30日 12時) (レス) id: ef2046c8bb (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - ああああああ、この作品も終わってしまったぁぁぁ!!雷音さんお疲れ様でした!!本当に素晴らしかったです;;;;私のリクエストにも答えていただき本当に感謝してもしきれません;;;;これからも応援してます!頑張ってくださいね♪ (2016年12月29日 16時) (レス) id: 88b1fe7b13 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» あー……(´・ω・) まなさんもお忙しいのでしょうか(´・ω・) (2016年5月18日 14時) (レス) id: abb4063eb2 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 十九 雷音さん» それなら、よかったです!!最近、まなさんもボードに来られないので寂しくて……(´・ω・`) (2016年5月18日 4時) (レス) id: 53c9c73951 (このIDを非表示/違反報告)
十九 雷音(プロフ) - RUIさん» ありがとうございます・゜・(つД`)・゜・ 体調のほうは、辛うじて大丈夫です(^-^; 申し訳ないです(>_<) (2016年5月17日 8時) (レス) id: abb4063eb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十九 雷音 | 作成日時:2016年1月28日 0時

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