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24話 ページ26

その後スペインを呼び、三人で食事を済ませ大分夜が更けた頃皆各部屋ヘ行き就寝したが、俺はとある国に電話をかけていた。

Pronto(もしもし)

「夜分遅くに電話掛けてくるとはいい度胸だな」

舌打ちしてきそうなほど機嫌の悪い声に身震いするも、弟の為イタリア男として怖気づく訳にはいかない。

「先日言ったべネチアーノのことなんだが――」

「――そうか。ただ、それなりにリスクがある。それに彼奴に恨まれるかもしれねぇがそれでもお前はやるのか?」

リスクが伴うくらい承知の上だ。
70年間悩んできたことだ。
今更止めることができないことくらい知っているだろう。

「あぁ、よろしく頼む」

「代償は彼奴に免じて許しやる。取り敢えず明日は世界会議なんだから早く寝ろよ。明日決行するからな。ってこれはお前が寝不足だと彼奴が心配するからであってお前のためじゃないんだからな!!」

これが日本の言っていたツンデレというやつか、と半ば呆れながら電話を切った。
明日はアメリカで会議がある為俺は早々に寝床に入った。



――――――――――――――――――――――――

台湾side

「今日はアメリカさんのところで会議あるからいつもより早く起きちゃったヨ」

ベッドから体を起こして伸びをし、支度をし朝ごはんを食べまだフライトには時間があったので近所の海岸へ出掛けた。

「清々しいネ、今日は晴れるかナ?」

夏は急に雨が降るからなぁと今日の天気の心配をしていた時、海岸の砂浜に小瓶が打ち上げられているのを見つけた。如何やらそれは手紙らしく海水が入らないようにきつく栓がしてあるようで蓋も錆びついていて中々開けられない。

「か、固いヨ……会議の時に老師に開けてもらおうかナ」

私は開けるのを諦め、海を眺めた。
今から数十年前はあの水平線の彼方で海戦があったなんて、時が経つのは早いものだ。
日本さんのところでは今日、第二次世界大戦が終戦した日になる。
終戦72年目の夏は、蝉の鳴き声が耳障りなほどとてもよく晴れた日だった。

25話 台湾side→←23話 ロマーノside



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фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます!更新頑張りますね! (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:фата* | 作成日時:2016年6月2日 3時

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