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23話 ロマーノside ページ25

「この話は日本やAの仲間に聞いたんだ。俺、最後の最後まで会えなくってとても後悔してるんだ…ってごめん!もう夜になっちゃったね俺パスタ作って来るから!」

バカ弟は涙ぐみながら、最後まで話してくれた。
あいつはあいつで思うところもあったのだろう、べネチアーノはそれ程思いつめているように見えた。

「なぁ、ロマーノはそのAちゃんのこと知ってたん?」

スペインは、俺の脇腹をちょんちょんと突きながら聞いてきた。
正直少しだけくすぐったい為その手を払いのけながら答えた。

「…一度だけ会ったことがあるぞ」

俺がボソッと呟くとスペインはまるで金魚のように口をパクパク開け、心底びっくりしているのが手に取るようにわかる。と、言うよりこいつの反応がわかりやすいだけかも知れないが。

「はっ……えっ、親分知らへんよ」

「まぁ、お前には言ってないからな」

スペインは教えてくれてもええのに……と、あからさまに残念そうに項垂れたと思ったら急に目を輝かせながら俺の肩を掴んできた。

「ところで、Aちゃんってどないな娘なん?」

まさか此奴がそんな事を聞いてくるとは思わなかった為今の俺は相当変な顔をしているだろう。
だが、良く考えてみればスペインはラテンだった事を思い出して一人納得した。

「…短髪だから一見男かと思うかもしれねぇけど、ベッラだったぞ。混じり気のないneroで、とても綺麗だった。ただ、日本人にしては瞳の色がbluだったから綺麗ではあったが、あの瞳の色が脳裏に焼き付いて離れねぇ」

「東洋人が青眼か…何でやろなぁ。それで、そのAちゃんに会って何したん?」

「言う訳ねぇだろ、知りたいならべネチアーノにでも聞いてみろ。俺の口からは言えねぇことだからな…」

俺は、ドアノブに手をかけながら呟いた。
背中越しに後でイタちゃんに聞いてみよう、何て言うスペインの声を聞きながら部屋を出た。
俺の目線の先にはべネチアーノがいる。バカ弟は俺に気付いたようでゆっくり振り返った。

「あ、兄ちゃんパスタできたよ、スペイン兄ちゃんも呼んでくるからちょっと待ってて」

俺は俺の横を通り過ぎようとしているべネチアーノの手首を掴んだ。

「お前は、Aに会いたいと思っているか」

「会えるものなら会いたいよ」

「Aを守ることができるか?生涯愛することができるか」

「何言ってるの兄ちゃん、Aはこの世にいないのに…。そんな事聞くまでもないでしょ」

―バカ弟の声は震えていた。

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фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます!更新頑張りますね! (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:фата* | 作成日時:2016年6月2日 3時

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