22話 ページ24
私は急いで甲板へ向かおうとしたが、船体が左舷側へ傾いている為皆私と同じようにどうすることもできないままズルズルと海へ引き込まれる。海面へと滑り落ちながら有賀艦長からの総員退去命令をしっかり耳にして海面へと投げ出された。
大和は私達に覆い被さる様に左舷側へ転覆し、私達は急いで大和から離れようとした。
が、しかしこんなに大きな軍艦が沈むのだ渦潮だって発生する。渦にのまれ気づけば大和と共に海中に沈んでいた。
それも大和の電探に軍服が引っかかったまま。
私の体は重力に逆らうことはせずゆっくりと仰向けになった。
海面はとても綺麗だった。
先程まで曇り空だったのがまるで米軍の勝利を祝福するかのように雲の切れ間から覗いた太陽の光は、海面へと光の線をを伸ばしていた。
水中から見ると宝石を散りばめたようにキラキラしていてとても美しかった。
鼻から大量の海水と沢山の軍艦から漏れ出た重油により目が見えなくなり、先程傷を負ったところが海水に触れ、とても苦しく痛いはずなのに重油の暖かさや出血による貧血のせいか、頭がボーっとしてとても心地がいい。
意識が途切れそうになるのを、最後の力を振り絞り紡ぎながら私は海面へと手を伸ばした。
「菊さん……フェリ……国の皆さん……私の戦友達……今までありがとうございました」
――私の言葉は泡になり、意識と血と共に水面へ溶けていった。
意識が途切れる瞬間、あたりはまばゆいほどの光に包まれたが最早意識がないまま海中へと引きずり込まれているAには、そのことに対して反応することは不可能だった。
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фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (
レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます！更新頑張りますね！ (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：фата* | 作成日時：2016年6月2日 3時
