甘口 ページ7
「ほんまにここでええん？」
｢はい、ほんとに大丈夫です」
「ならいいけど···。あ、雨降ってきた」
｢ほんと、だ。じゃこれで、ありがとうございました」
「あ、ちょ、」
こうちゃん、と別れる、むりだ、わたしには。
でもきっと濱家さんは私があんなことを言ってしまったから
別れると勘違いしてしまっている
あぁ、私ほんとバカだ。
「··ただいま」
｢ひでぇなその格好。傘持って行ってなかったの？」
｢忘れちゃってた｣
｢クマも酷いな、久々の残業疲れた？｣
｢うん。···甘、口？｣
｢ん？あ、バレた？Aさいっつも俺に合わして辛口にすんじゃん？｣
｢だからこれからは俺がAに合わせなきゃなーって｣
｢っあ、煮込みすぎ···た、ってA？｣
｢···すき｣
｢え、今言うー？いっつも言ってくんないくせに｣
なんだかこうちゃんの背中がいつもより愛しく見え、気づいたら後ろから抱きしめていた。
｢それよりシャワー浴びて来て、また風邪引くから。
うわ、めっちゃ背中濡れた｣
｢··(笑)。ごめん｣
｢あ、こうちゃん｣
｢ん？｣
｢やっぱり一緒にお風呂入ろ｣
私にはこうちゃんが居る
きっと私はもう他の人の匂いじゃ落ち着かない。
ﾌﾞｰ。
Aちゃん、風邪引いてない?
｢あっ｣
でも相手はお笑い芸人
テレビに出て人を笑かすお仕事の人。
そんな人と私が関係を持っていいの？
今更、そんなことを思う。
今度いつ会える?
ちなみに今から収録´Д`)
｢今から…大変なんだ、｣
ご心配ありがとうございます。相変わらず忙しいんですね、頑張ってください
Aちゃんの寝顔見れたし頑張れそう(笑)
はよ会いたいなー
｢·····うわ！えっなに、｣
｢隣にA居なくて探してた、Aは何してたの｣
｢え、あっお腹··お腹痛くて、｣
｢ふーん、そっか｣
｢うん、｣
見られてないことを信じ私は濱家さんに再度LINEを送った
明日空いてますか?
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作者名：(^^) | 作成日時：2023年2月11日 0時
