二人だけの (ページ29)

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離れさせんからなページ29

「2人だけの秘密やで俺らの関係は」

いきなりキスをされて理解ができてなかった私を強く抱き締め私の耳元に小さい声でそう囁き帰って行った清水くんは何を考えているのかよく分からなかった

「ごめんなさい」

情けなくてみっともなくて心底自分を醜んだ。

濱くんにLINEを送っても、いつもなら直ぐに既読がつくのに既読も返信もなかった

でも私自身もお酒を飲んでいたので目を閉じれば寝てしまうほどだ

濱くんの帰りを待ってなんか居られず私はソファの上で寝てしまっていた

「ん、」

パンのちょっと焦げ臭い匂いと雨の音で目を覚ますとソファで寝ていたはずなのにベットで寝ていて濱くんはいつの間にか帰って来ていた

「Aちゃん起きた？」

「うん、」

「昨日ソファで寒い格好して寝てるからびっくりしたわ」

「ねぇ、···昨日どこ行ってたの？」

「ん？あー先輩に呼ばれただけ、飲み相手なれーって」

「そう···｣

料理をする手を止め私のそばに来て濱くんは私をギューッと抱きしめた

「なぁ。Aちゃんはいつになったら俺の事だけ考えてくれるん？」

「え？」

「離れさせんからな」

見たんだ、私はこの発言だけで一瞬で理解した

「あんま美味ないな、(笑)」

「···」

ﾌﾞｰ、ﾌﾞｰ。

「マズかったら残しといてええで、俺食べるし」

「さっきから····電話鳴ってるけど出なくていいの？」

「あー仕事辞めてきたからちゃうかな」

「···え？何言ってんの濱くん」

「明日からずっと、ずっと一緒に居れるな」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ、ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ。

「多分マネージャーや。無視無視」

濱くんが仕事を辞めたのは、私のせいだ

濱くんを心配させてばかりいるから、昨日のことで信頼がなくなったから。

「Aちゃん、結婚しよか。俺ら」

「···」

「結婚したらこれからもこの先もずっと一緒もう離れることもないし。

Aちゃんもしたいやろ？結婚」

「········だね。」

その後清水くんの連絡先を消そうと思いLINEを開くと昨日まであった清水くんのLINEが消えていて

電話番号もその他の連絡先もすべて削除されていた

きっと、私が寝ている隙に濱くんが消したんだろう

首元に知らぬ間に付けられていた赤い印も

1年後、芸能界から見取り図が消えたのもきっと。

終わり