二人だけの (ページ10)

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ドロドロページ10

お姉こうたさんから聞いたで。結婚するんやってな、お母さんまだ事のこと知らんから、今度こうたさんと家きーや。

こうちゃんお姉ちゃんにも言ったんだ

結婚なんてしてもどうせ何も変わらないんだろうな。

出産も就職もしないとダメだし、それよりも濱くんだ。

濱くんをこれ以上悲しませたくはない。だけどこれ以上一緒に居たらもっと悲しくさせる気がする。

「Aー好きだよ」

と寝ぼけて言うこうちゃんの髪を触れるか触れない程度に頭を撫でた

明日伝えたいことがあります、いつもの公園で待ってるね。

これでいいんだよね

私は濱くんから褒めてもらった靴を今日は履くのを辞めた

そして少し走っていつもの公園に向かう

そういえば、濱くんと会う日は必ず雨だ

この前もホテル行った日も

天気が悪かった

公園に着くとブランコに座っている濱くんがいた

｢濱くん」

「Aちゃん！
あれ、今日いつもの靴履いてへんやん」

こんなことにも気づいてくれる濱くんが凄い好きで

なのにいつも私は悲しい思いをさせてしまう

きっと恋愛映画は中盤が最悪でもラストが良ければ結果オーライだけど

現実は中盤が良くてもラストが良くても最悪だ

浮気なんてしていいのはドラマや漫画の世界だけ

ドラマや漫画では浮気を綺麗に描いているけれど

現実では汚くドロドロなのだ。

「伝えたいことって？別れてきた…とか？」

｢別れるとかはもう、」

「···結婚すんの？」

｢ごめん」

「··俺の事好きなんちゃうん？」

その鋭い一重で私の目を真っ直ぐ見る濱くんは
私に初めて見せる顔でもあり初めて出した感情でもある

｢ごめんなさい」

「ずっと一緒にいたいねって言ったんはAちゃんやん。
あれ嘘やったん？··なあ。」

声と同時に私の手首を強い力で掴む濱くんを初めて怖いと思った

全部私のせいだ、ずっと自分中心で考えてきた自分のせい

「今まで俺に言ってくれたことも好きなんも嘘？」

｢ウソじゃないよ」

「じゃあいつもみたいに俺に抱きつきながら好きって言うてや｣

私は何回濱くんを不安にさせて傷つけてしまうんだろう

｢ゴメンなさい｣

今の私にはこれしか言えなかった