Forever more (ページ5)

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もうひとりの私ページ5

” 俺たち、付き合ってるんですよね ”

見慣れたインターフォンを押す
すると中から髙比良が現れて私を力いっぱいに抱きしめる

「会いたかった？」

「うん」

抱きしめ返すと今度は力を弱めて優しく包み込んでくれる

髙比良の匂いがする

甘くてなんとも言えないこの匂い、落ち着く。

「髙比良の部屋って、なんでカーテン桃色なの？」

「えっ。覚えてないんですか？」

「なにを？」

「このカーテンAさんが選んでくれたんですよ」

あれ、そうだっけ。

髙比良は悲しそうな顔をする中、私は部屋を見渡す

「なに、俺の家変？」

「いや、別に」

「何回も来てるんだからそんな見なくても大体何があるか分かってるでしょ」

「だね」

このぬいぐるみも、マグカップもお皿も服も、私が選んだものばかりだった

少し驚いた、冗談で女の子が使うようなマグカップを勧めたら
ほんとに買ってるし、服も、こんな趣味悪いの捨てていいのに

「Aさん、ここ」

「ん？」

「ここ、きて」

トントン、と座れるペースに足を開いている

「はーい」

こんなこと、いつまで続けていいんだろう

こんな年上のオバさんが何やってんだ

「Aさん、辛いならここ住んじゃえばいいのに」

「そしたら俺のウマい料理いっぱい作ってやんのに」

「朝昼晩、ずーっと一緒にいれんのに」