Forever more (ページ22)

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けんしろうさんページ22

あなたに出会ってから

自分が好きになった。

あなたのそばに居るとほっとする。

あなたの隣にずっといたい、他に相手がいても。

私を選ばなくても、いい。

｢けんしろうさん｣

｢どーしたん、Aちゃん｣

｢私のことどう思ってますか？｣

｢いきなりやなぁ··。
可愛らしくて素直な子やなって思てるよ｣

ベッドに腰掛けて煙草を吸うけんしろうさんの顔を眺める。

行為のときとはまるで別人だ、普段は優しくてAちゃんと呼ぶけれど、行為のときは呼び捨てになってドSの域を超えるぐらい、激しくて、目に光がなくなるけんしろさん。

そんな彼も好き。

テーブルに置いてある携帯電話が小刻みに震える。

きっと、何時に帰ってくるの？と彼女からの電話。

｢ごめん、Aちゃん帰らなあかんくなってもた｣

｢はやく帰ってこいって？｣

｢まぁ。もっと一緒におりたかったなぁ、じゃあまた｣

｢けんしろうさんっ。｣

｢ん？｣

｢今度、いつ会えますか？｣

｢まだ分からん、会えるとき連絡するから安心して｣

そう言って、優しく微笑む。

玄関先に向かう彼の背中を後ろから抱きしめて、｢行かないで、ずっと一緒にいて｣なんて言えたら。

どれほど楽か。

あぁ、私はまた同じ過ちを繰り返している

リリーさんにあれほど言われたのに。

バカだなぁ、わたし。