年上でも ページ3
彼の家に向かいながら彼のことを考える時間が好きだ
今日は、なんの映画を見ようかな
なんの料理を作ってあげようかな。
なんて考えてると名前を呼ばれた
後ろを振り返っても、横を見ても、前を見ても
彼の姿はない。
「どこにいるの？｣ と彼にメッセージを送ろうとした瞬間
「Aさーん！上見て！」
聞こえたとおりに上を見ると大きく手を振る彼が居た
彼の笑顔を見るとはやく会いたくて、触れたくてロビーに入る
インターフォンを押すと、待ってましたと言わんばかりに勢いよく抱きついてくる彼に私は転けそうになった
「まってた、ずっと」
首筋に軽く鼻息が当たる
「準備してたら遅くなっちゃった、ごめんね」
「今日は何時まで、いてくれるの」
「ん〜。22時ぐらい、かな」
「じゃあ、あと9時間も一緒に居れるんだ、うれしい」
私は彼から離れて彼の頬を触る
「· · ·かっこいいね」
くるくるした髪と、丸メガネ、ぷっくりとした唇
全部、好きだ
「部屋入ろ、あったかいよ」
目を逸らして、わたしの手を握り部屋に誘導する彼の手は少し湿っていた
「ここ座って」
そのまま言われた通り、彼の足の間に座る
後ろから抱きしめられ鼓動が段々と速くなっていく
「この前、勝手に帰ってごめんね」
「この前？」
「覚えてないの？1週間前の日曜日
Aさん家に泊まる予定だったのに俺が拗ねちゃって帰ったでしょ」
「あっ、思い出した」
「あのとき、Aさんが他の男の人と楽しく喋ってるの見てなんかイライラしてて、ほんとごめん」
「いいよ、気にしてないから、謝んないで」
「そっか、ならよかった」
彼は、ふぅ〜、と言いながら私にもたれかかってくる
「ねぇ」
「なんですか？」
「高比良は、私と喋ってて楽しい？
4歳差もある私となんか 「楽しいよ」
「関係ないです、年上とか。
僕にとっては今のAさんが魅力的です」
私は�眸耄匹諒�を向いて抱きしめ返した
「いきなり、どうしたの」
「···たかひら」
「はい」
「抱いて」
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作者名：(^^) | 作成日時：2024年1月11日 2時
