教えたる ページ18
3年半が経った。
俺の環境は驚くほど変わり、大阪の方では大半の人から声をかけれる。
そんな中、俺は31歳になったというのに彼女すら出来ていない
一夜を共にして終わってしまう女の子ばかりだった
あいつは、男、できたんかな。
｢あーーーーやめよ｣
3年前の彼女のことなんて考えるもんちゃうよな
しかも浮気されてこっちが振られたパターンの奴が
普通は憎んだりするもんやのに、嫌いにすらなれなかった
振られてからの2.3ヶ月は彼女のことばかり考えて、なんとか忘れようと毎晩酒に頼っていた
2人での写真もまだ捨てれてない、貰ったものも。
さすがにAが使っていた日用品は捨てたけど、それ以外は捨てようにも捨てれなかった
これじゃ女の子となんて当分付き合えん
でも、付き合えんというか···興味がない、それに近かった。
「独り言多いって、お前」
「あ、すんません」
楽屋ってことを忘れてた
··よかった、この場に濱家さんしかおらんで
「どうせまたAちゃんのこと考えとったんやろ」
やっぱり、バレバレやった
「濱家さんには何でもお見通しっすね」
「ええ加減忘れて、他の女の子のとこ行けばええやん」
「もう3年も経っとるんやで？」
「忘れたいですよ、俺やって」
「紹介してもらい、ゆずるとか女の子との関わり多いやろ」
「もう紹介してもらいました、1年ぐらい前に」
「どうやったん？」
「可愛かったけど無理でした。やっぱり、忘れられへんっていうか、」
濱家さんは携帯を閉じて俺と向かい合わせに座った
「そんな好きなん？」
「Aちゃんのこと」
「··はい」
「会いたい？」
「そりゃ」
「未練たらたらやん、お前｣
「そんなん自分が1番分かってますって。」
「逆になんか怖いわ、別れてから３年も経っとるのにまだ好きとか」
「もう何言われてもいいです」
俺の顔をチラリと見て少し黙った。
「ほんまは教えるつもりなかったけど、そこまで本気なんなら教えたるわ」
「なんすか、」
「この前西麻布辺りでAちゃん見かけた」
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作者名：(^^) | 作成日時：2024年1月11日 2時
