〜83〜 ページ34
カチッと空砲の音がする
弾切れか
『船長、弾』
「お前のことだ、的確に撃ってるはずなんだが......残弾数もかなり減ったな」
『そりゃそうですよ。まさか、この国の警備隊が射撃重視だったなんて。お陰で闇姫達は中に入ったのにこっちの仕事が終わらない』
途中から私が撃ち、船長が弾を入れるという地味作業に変更した
船長自身、やはり銃は慣れていないようだったし
その方が効率的だった
『これじゃ、血桜連れて能力ぶっ放す方が早いかも』
「残りの人数は？」
『ざっと20人ってとこですかね』
「20か.....ここじゃ能力も届かねぇ。A、移動しながら狙えるか？」
『狙えますよ。船長が抱えてくれるなら』
「そうか。なら行くぞ」
『あ、狙いやすいように担いでくださいね』
残りの弾を両方の拳銃に入れられるだけ入れ、しっかりと握る
やはり軽い
「しっかり狙えよ」
『できるだけ揺らさないでくださいよ』
「無理だな。善処はしてやる」
『潔いですね、逆にありがたいです』
船長は鬼哭を担ぐのと反対側の肩に私を担いだ
細身の割に力はあるのか
『重い云々の文句は受け付けませんので』
「あぁ、思ったよりはまだ軽かった。"ROOM"」
『思ったよりは......？』
「あんだけ強けりゃ鍛えてるだろ、普通。なら筋肉の重さでそれなりにあると思ったんだが...それを差し引いても軽い」
『女相手に体重がそれなりにあるはかなり禁句ですからね...？』
もちろん、そんな言葉で傷つく程ヤワではない
なんせ船長と私の体格差なんてあるようでない
だからこそ重いと思われても仕方ないし
船長の言う通り、きっと私の筋肉量は少なくない
女としては寧ろ多い方かもしれないのだから
「喋るのは勝手だが、舌噛むなよ」
『もう喋りません』
「"シャンブルズ"」
パッと景色が変わる
だが、狙いはしっかりと目に見える範囲
移動しながら狙えと言っている以上、船長も能力だけで移動する気はないようで
体力配分を考えているのか、全速力ではない速さで走っていく
両手で1発ずつ発砲で同時に2人
なんて上手くもいかず、結局1人相手に4発ほど撃ってしまった
すっと上げていた腕を降ろせば、再び能力で移動する
そんな事を繰り返し、ついに弾が切れた
移動を終えるより先に弾が切れ、私は大人しく担がれたまま
「着いたぞ」
『ここ、王宮裏ですね』
騒がしい音は絶えず聞こえてくる
そんな中、私達は裏側へ辿り着いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆみ - わたしりあるにハート海賊団だいすきですきやぷてんがすき/// (2021年10月3日 19時) (
レス) @page2 id: 3ad59a45e6 (このIDを非表示/違反報告)
亜樹姫 - こんにちは！リンドウさん。亜樹姫です、今妹のスマホ借りてます。いつも楽しませてもらってます！更新はゆっくりで良いので、無理しないでくださいね。頑張ってください、応援してます！ (2019年8月28日 16時) (レス) id: 8272aee984 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンドウ
| 作成日時：2019年8月22日 22時
