第38話 ページ43
.
言ってることはさっきの岩泉さんと変わらないはずなのに、何故か彼の大きな瞳から目が離せなかった。
ぼーっとしているうちに西谷は練習に戻っていて、ウォーミングアップ終了の笛も鳴ってしまって、私はギャラリー席の方へ移ることとなった。
柄にもなくドキドキしている自分に吐き気がするが、今はそれどころじゃない。
みんなの勇姿をちゃんと見届けなきゃ。
向こうのサーブから始まるこの試合。
中々に強烈なサーブは大地さんが綺麗にセッターの元へと返球した。
『ナイスレシーブ！』
影山も美しいフォームでトスを上げ、それを日向君が打つ。
影山のトスで一瞬ブロックを振り切ったようにも見えたが、伊達工の徹底されたリードブロックには敵わず、捕まりかけた日向君がぎりぎり空中で避けて得点が入った。
今更ながら思うけど、やっぱりバレーにおいて高身長ってのは何よりの武器だ。
「行け!!殺人サーブ！」
『影山ナイッサー！』
オールラウンダーな影山のサーブの威力は中々のものだが、残念ながらリベロのもとへ。
影山のサーブ練、何かの目印を付けたりしてコントロール力を磨く練習をしていくべきだろう。今度私も手伝おう。
相変わらず感じたこと、考えたことをメモしながら試合を見るという忙しい状態。
バック!!という声が聞こえて顔を上げると、旭さんがバックアタックを打ち込んでいた。
だけどそれはブロックに阻まれてしまった。
その後も、何度もブロックに止められ、点が入るのもブロックアウト。スパイカーに気持ちよく打たせてくれない素晴らしいブロックに、敵ながら賞賛を送る。さすが鉄壁。
3-2で烏野がリードし始めたとき、影山が選択した攻撃は
変人速攻。
うんうん、そうでしょうそうでしょう。
こんなのそう簡単には止められっこないもんね。
会場全体がどよめく。
審判でさえ驚いた顔をしながら笛を鳴らしている。
確実に相手は動揺している状態。
日向君と影山の速攻が、この鉄壁を切り開く突破口となる。
点差が付かず離れず、一進一退の繰り返しが続く。
次に日向君が前衛に上がってくるとき、相手の背の高い巨人も前衛に上がってくる。
「鉄壁vs超速攻…!!」
誰もが注目する中、
影山は厳しい体勢からもう一度あのトスを放ち、日向君が打ち切った。
伊達工業は1回目のタイムアウトを取った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 168人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
