第37話 ページ42
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互いのチームがコートに揃って公式ウォーミングアップが始まると、辺りは一気に伊達工コールに染められる。みんな…特に2・3年生の表情も硬いままで、動きもどことなくぎこちない。
「んローリングッ
サンダアァァァッ アゲインッ！」
…いた。
いつもと変わりなくいられる人が。
西谷のおかげで途端にみんなの空気が和らいで、いつもの烏野って感じの雰囲気が戻ってきた。どれほどの強心臓を持っていたらそんなに通常運転でいられるのか気になるけど、ひとまずこの場に西谷がいてくれて本当に助かった。
「よっしゃあ!!
心配することなんか何も無え!!皆前だけ見てけよォ!!
背中は俺が護ってやるぜ」
「「「かっ…カッコいい〜っ!!!」」」
『かっこいー…』
同じコートでともに戦う仲間を誰よりも知っている及川さんが、いつか言っていた。
“優秀なリベロはコートだけじゃなく選手のメンタルも護るんだ”って。
「！」
すると、西谷がずむずむと大きく一歩を踏みしめながらこちらに向かってきた。
え、何怖いんだけど。
「…今、かっこいいって言ったか？」
『え、あ、うん言いました』
「よしよし！ようやく俺の良さに気付いたな！このやろー！」
私の頭をぐしゃぐしゃにしながらぴょんぴょん跳ねる西谷。
いや何この状況。みんなももう通常運転に戻ってウォーミングアップ続けてるんだから、早くそっちに戻りなよ時間なくなるよ。
何て言おうかと考えていると突然、真剣な表情をした西谷。
「A。お前、俺が戻ってきたとき、元通りじゃなくてごめんって謝っただろ」
『う、うん』
「今だって元通りじゃねえ。つか、元通りになることなんてもう二度とねえ」
『え…』
それは、旭さんがまだ克服しきれていないということだろうか。
勿論完全に吹っ切ったわけじゃないだろうし、完全に元通りってわけじゃないのは分かってる。
西谷ははっきり物事を言うところがたくましいと思うけど、今の言葉はかなりきつい。
「だって俺達はあの頃より強くなった！あの時よりずっと、先を行ってるんだからな!!」
『…おおお』
言われてみれば、確かに。
GW合宿に、青城や音駒との練習試合。たくさんの練習を積み重ねてみんなは強くなった。
「だから何も迷うな。ただ俺達だけを見てろ」
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
