第36話 ページ41
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『……はい』
「やっと普通の顔に戻ったな」
『毎回思うんですけど、凄い顔ってどんな顔なんですか？』
「眉間にシワ寄せまくって、なんつーか不気味な顔」
例えるなら影山が楽しそうに勉強してるくらい不気味だな、なんて付け足されてショックを受けた。そんな不気味すぎる例えなかなかないよ…。
「そういや、お前この前の練習試合のとき及川と話したか？」
『…ああ、まあ、はい』
「やっぱりな。あいつがアップ行く前にクソみてえな顔してやがったからな。大方またなんかあいつに嫌なことでも言われたろ」
岩泉さんにありのままを全て話したら、及川さんが何されるか分かったもんじゃない。だから何でもないで通そうとしたのだが、有無を言わさぬ感じで全部言え、と脅され…訴えられたため観念して全部話した。
そしたら案の定、「あんのクズ川…あとでぶん殴る」とかなんとか恐ろしいことを言ってらっしゃった。
『お、落ち着いてください岩泉さん。
私が及川さんに嫌われてるのは、今に始まったことじゃないですから』
「はぁ……木下。インターハイ終わって時間が空いたときでいいから、あいつに時間をやってくれ。お前らは一回話し合わなきゃだめだ」
及川さんに時間をあげるって言ったって、まず向こうが私なんかと話したがるとは思えない。また暴言吐かれて終わりだろうし…。
きっと話しても無駄だと思いますよ、と言うと今度は頭を下げられてしまった。まさか岩泉さんに頭を下げられる日が来るなんて思わなかったから、勢いで行きます！話しますから！なんて返事をしてしまった。
「おう、ありがとな」
『い、いえ』
「…っと、そろそろ集合時間だな」
うちもそろそろ集合がかかる頃だから戻らなくては。
改めて岩泉さんにお礼を言うと、屈託のない笑みを返された。
「じゃあ、次の試合頑張れよ」
『はい。岩泉さんたちも応援してます。まあ、大丈夫でしょうけど』
そう言うとおう、と拳を突き出して歩き始めた。
言うかどうか迷っていたため判断が遅くなったが、やっぱり言おうと決意してもう一度そのたくましい背中に声を掛ける。
『い、岩泉さん！』
「なんだ？」
『その…。
及川さん、無理しすぎないように気を付けて見てあげてください。どうせまた相手校の研究とかして夜更かしするんだろうから…』
「おう、伝えとく」
そう言うと、今度こそ行ってしまった。
さあ、私も切り替えて次に臨まないと。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
