第31話 ページ34
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そしてこの試合は、その抜け目のない不良の一手によって終了した。
旭さんのスパイクはリベロに拾われ、返ってきたチャンスボールをまた旭さんがダイレクトで叩いたがこれもまた拾われたが、烏野のコートに返ってきた。
そのチャンボを打ったのは日向君で、さすがにこれは決まっただろう。
そう思ったのに、またリベロが繋いで、向こうの坊主の人が繋いで、
それを最後にセッターが返球した。
完全に烏野が一点取ったと誰もが思ったし、一度に長く続いたラリーの直後。気が抜けてしまうのも仕方ないことで、私達は最後の一点を落とし負けてしまった。
繋心さんが言っていた「“チーム”として鍛えられたチーム」っていう言葉がすごくしっくりきた。
とりあえず疲れているであろう選手たちには休んでもらうべく、ドリンクとタオルを渡していく。
今日の練習試合はこれで終わりなのかな。
そう思った矢先、日向君が声を張り上げる。
「もう一回!!」
『え、』
「!」
「おう、そのつもりだ!“もう一回”がありえるのが練習試合だからな」
猫又監督が満足そうに笑いながらそう言った。
10分の休憩後、第2試合がスタートすることとなった。
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結局3試合やって一度も勝てなかったが、新しい好敵手ができ、みんなのポテンシャルも存分に発揮されたいい練習試合になったと思う。
ちなみに今はみんなで片付け中。
潔子さんはドリンクボトルを洗いに行ってくれたので、私は道具の片づけとモップ掛けを担当。
「パイプ椅子ってどこにしまえばいいですか?」
『あ、それなら向こうに……って、黒尾さんじゃないですか』
声を掛けられて振り向いてみればトサカ頭。
「おつかれ、Aチャン」
『…お疲れ様です。なんで名前知ってんですか』
「お宅の坊主君が山本に名前教えてるの聞こえたから」
おい坊主。うちには坊主が2人いるけど、成田がそんなことするはずないのは火を見るよりも明らかだから、犯人は最初から一人と決まっている。
てか山本って誰。
『…まあいいや。何しに来たんですか?』
「そんな警戒しなくても。言ったろ、パイプ椅子片付けに来たんだよ」
『あぁ、そうでしたっけ』
そう言われて見てみれば、彼の少し後ろの方に同じくパイプ椅子を持った金髪不良少年の姿もあった。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉…!!のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃる | 作成日時:2020年2月7日 11時