第27話 ページ30
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あの後結局、何を言っても引こうとしなかったし、武田先生も2人が率先して手伝うといったことに感動してしまって止められず、少しだけ手伝ってもらうことになった。
けど普通に考えてみれば、この2人に任せてもろくなことがないのは誰でも分かる。
だから潔子さんだって、2人からの手伝いの申請を拒否してたというのに。
まあ、さすがに選手なんだし、ワイピングとかなら出来るはず。
『…じゃあ、この後の練習のワイピング、任せてもいい？
あと、スパイクレシーブの時はタイマー計ってやって』
「おう！」「任されよ！」
不安は少し残るものの、同輩の言葉を信じてその場を任せることに。
私はその間に潔子さんが途中までやってくれていたドリンクを作り終えた。そして成田がコールドスプレーを使い切ってしまったと言っていたため、スプレーとついでにテーピングを買いに近くのスポーツ用品店まで走った。
***
戻ってくると、ちょうど小休憩なのかみんながドリンクボトルを手にしていた。…が、全員(約2名除く)の顔は引きつり、青ざめ、トイレの方からは日向君のうめき声が聞こえた。
「……Aさん。なんであの人らに頼んだんですか」
『いやまじでどうしたの、……まさか』
月島君の冷めるような目にビビるが、彼らの手にしているドリンクボトルを見て最悪の答えが思い浮かびあがる。みんなの悟ったような表情を見るからに、これはあの2人が作ったものなんだろう。
先に私が用意していたドリンクは、まだボトルに淹れてなかったから気付かなかったのかもしれない。
『田中、西谷。これ、何入れたの？』
「いやー俺は間違えて塩入れちまってよ！」
「お、俺はちゃんとドリンクの粉末だぜ！」
「…特濃5倍のな」
言うなよ縁下ぁ！なんて言ってるけど、それ私があんたに嫌がらせでやろうとしたやつ。
…まあ、こいつらが悪気があってやったわけじゃないのは分かってるんだけど。悪気がないからこそ、きつく注意もできないから、質が悪い。
『と、とりあずえずそれ回収します。普通のやつは作ってあるんで、すぐ持ってきます』
「「お、おお…‼」」
…私がこんなに神様を拝むような眼で見つめられたの、これが初めてかもしれない。
「「俺も手伝うぜ‼」」
『2人はすごい頑張ってくれたから休んでて！大丈夫だから‼ね‼』
何とか言いくるめることに成功した。
その日の午後は、私だけ何か別のスポーツでもしている気分だった。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
