第2話 ページ3
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お腹にダイレクトに直撃したため、みぞおちにグーパンもらった気分。
起き上がったところで目に映ったのは、
座り込んでいるオレンジ色に、唖然としている影山。
田中は今にも吹き出しそうな口もとを抑え、それを必死に止めるスガさん。
そして、カツラを取って光っている教頭に、
教頭のカツラを被った大地さん…。
え、ナニコレ修羅場?
そのまま教頭は暗い表情で大地さんを連れて行ってしまった。
ひとまず難が過ぎ去ったからか(きっと本当の難はまだ全然続いているだろうけど)、スガさんが一息ついて、こちらを見るとすぐ慌てた様子で駆け寄ってきた。
「うわっ、大丈夫かA!?」
『あ、すみません!すぐ拾います』
周囲に散らばったボトルを拾い集めてくれるスガさんを見て、はっと我を取り戻したように慌てて私も動く。みんなが飲む大切なボトルを落としてしまったことも、先輩に拾わせてしまったことも何から何まで申し訳ない!
『すみません。先輩に手伝ってもらっちゃって…』
「いーって!それより大丈夫?怪我してない?」
『全然大丈夫です!運動神経良かったら身軽に避けられたと思うんですけどね…』
ははは、と乾いた笑いをしてみせたら、困ったように笑うスガさんがチャーミング。
そしてくるっと身を翻すと、今度はぷりぷりと怒りをあらわにした。
「日向、影山!こら、ちゃんとこっち来て謝りなさい!」
「スッ、スンマセンッッッ!!大丈夫ですかああああ」
「すんませんした………、ぁ!」
スガさんに言われて勢いよく走ってスライディング土下座をかますオレンジ色に、駆け足で駆け寄ってぺこりと頭を下げた影山。目が合った途端、そのクールな顔つきにわずかに驚きの色を滲ませた。
「木下さん、ちわっす」
『うん、久しぶり。影山』
てん、てん、てん。
周囲に流れる沈黙。
それを切り裂いたのは、坊主の雄叫びだった。
「おまっ、おま、お前ええ!!A!影山と知り合いなのか!!?」
『…中学の時の、後輩、みたいな』
「中学もマネージャーやってたって言ってたけど、北川第一だったの?」
『ですね』
まさかこんなに驚かれるなんて思ってなかった。あんな強豪のマネージャーやってたなんて言ったらさぞ凄い人だと思われかねないし、でも本人ただのちんちくりんだから黙っておいたんだけど…。
えへへ、なんて照れ笑いを浮かべると、体育館の扉が開いた。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉…!!のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃる | 作成日時:2020年2月7日 11時