第9話 ページ11
.
翌日、放課後。
SHRが終わってすぐ着替えて準備をしていると、影山がサーブ練をやりたいというので、急ピッチでネットを張ってコートの状態を整えた。
コートの反対側にペットボトルを置いて、サーブコントロールの練習。
及川さんのサーブに触発されたのかな。あの人のサーブはコントロール力も威力も、中学の時より格段にレベルアップしていたし。
自主練している影山の邪魔をしてはいけないので、私はボトルを手に水道場でドリンク作り。
少しずつだけど着実に暑さが増し始めるこの時期に、水道の水が気持ちいい。
体育館の中からは「日向ボゲェ!」という声が聞こえてきた。毎日元気で何よりです。
私も負けずに今日もせかせか働いていると、
田中の「ノヤっさぁ〜ん!!」という嬉しそうな叫びが耳に入って、思わず振り返る。
今日から、戻ってくるんだ!
私もすぐに彼の元に行きたいけど、あいにくスポドリがまだ作り終わってないためちゃっちゃか作る。昨日練習試合放り出しちゃったんだから、ちゃんとやらなきゃ。
ドリンク作りに精を出して数分後、突然体育館の反対側の扉が強く閉められた。
そこから出てきたのは学ラン姿の西谷で、何かに怒っているようにも見える。何があったのか気になるけど、とりあえず落ち着かせなきゃ。
『にしの…』
「レシーブ教えてください!!!ニシヤさんリベロですよね!?」
声をかけようとしたが、それは後から追いかけてきた日向君によって遮られた。
及川さんにレシーブという弱点を突き付けられた日向君にとって、守備専門のリベロというポジションにいる西谷はいいお手本なんだろう。
「なんで俺がリベロだって思う?小っちぇえからか?」
この返答によっては、西谷の虫の居所は余計に悪くなるだろう。
中途半端に私が口を出すのもよくないけれど、西谷がより不機嫌になってしまうのもまずいな…。
なんて内心慌てふためいていると。
「えっ?いや、レシーブが上手いから…」
「………」
「だってリベロは小さいからやるポジションじゃなくて、レシーブが上手いからやれるポジションでしょ?」
あっ、ですよねっ?なんて思い出したように敬語を付ける日向君。一応先輩だもんね。
…よかった。この感じなら、心配はいらなそうだ。
私は残り数本となったスポドリ作りに取り掛かった。
168人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉…!!のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふぃる | 作成日時:2020年2月7日 11時