第1話 ページ1
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高校２年 春。
烏野高校第二体育館、部活動開始３０分前。
ボールを出して、ネットを張って。毎日のルーティンを忙しなくこなしていく。
次はスポドリ。今日はきっと新入生が見学に来たりもするだろうから、田中がいつもより張り切るんじゃないかなあ。そんなことを考えながら水道で一つ一つドリンクを作る。
何本か作り終えたとき、体育館の中から聞こえてきた声。
「なんで居る！？」
聞き慣れない声だったし、もしかして新入生かも。期待を胸に、事態を確認するため出来上がった分のスポドリを手に体育館の中へ戻る。
そこにいたのは、やっぱり２年でも３年生でもなく。
鮮やかなオレンジ色と、
「影山飛雄！！」
そう。影山。私の心の声を代弁したオレンジ色に同調する。
昔よりも高くなった背に、少しだけ大人びた表情。しかめっ面は相変わらずのようだけど、私のよく知る影山飛雄がそこにはいた。影山の方は私のことを覚えているとは思えないけど。
２人は入ってきた私の存在に気付きもせず、言い合いを繰り広げている。
いやまあ、私なんかがそんなすぐ気付かれるはずないよね知ってた。
…え、てか、なんで影山がここに？
「今は他にもっと“強豪”！って感じの学校があるだろ！
なんでソッチに行ってないんだよ！？」
またもやオレンジ色が代弁してくれたため、彼に倣って影山の次の言葉を固唾をのんで見守る。
「…県内一の強豪校には、おちた」
「落ちた！？」
県内一の強豪校といえば、言わずもがな白鳥沢学園だろう。
スポーツ推薦なら受かる気がするし、白鳥沢って県内有数の進学校だし、普通に受けたら影山の頭じゃあ申し訳ないけどまず間違いなく落ちる。
一般で受けたってことは、声がかからなかったってこと？
あれほどの実力を持っていながらどうして…。
なんて考えていると、また険悪な雰囲気(主に影山の圧がすごい)になってきたので、疑問を抱えたまま私は水道場に戻り、スポドリ作りを再開。
「……ってー…っスよ…！！」
どこかの坊主のやかましい声が聞こえてきたので、急ピッチでドリンクを作っていく。
全てのボトルにドリンクを淹れ終えたところでカゴに入れて持っていく。
まだ練習始まる前なのに騒がしいなあ、
なんてよそ見をしていたのがいけなかった。
『…っうぐは…！？』
突如飛んできたボールに打たれて、カゴを持ったままぶっ倒れた。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
