花冠~願い~ ページ14
現在 (五年後) ピエールside
今は、変わった。
父は僕を見てくれなくなったし、ミシェルが苦手な人付き合いを押し付けられる形になっている………
でも、Aは変わらない。
そう、小さい頃から…
だから僕は今でもAが好きだし、もしも、Aが変わっても僕はきっと好きなままだと思う。
今日は久しぶりに3人で演奏をすることになっていた。
ミシェルが居るのは少し嫌になるが、僕は3人での演奏が好きだからミシェルへの嫌悪感は、入ってこない。
貴「やっほー!!こんにちはー!!ミシェルとピエールに会いに来ましたー!!」
僕がそんな風に思っていると、Aがやって来た
ピ「やぁ、A!ミシェルは二階にいるよ。ほら、行こう」
僕は急いで玄関のドアを開け、Aを迎えた。そして、Aの手を引いて上に向かった。
貴「ピエール、今日は久しぶりに3人で演奏できるのね!私、楽しみで昨日はあまり眠れなかったの」
こんな風に無邪気な所も僕は可愛いと思うし、大好きだ。
結構高い身分の生まれなのに、えらぶった態度や話し方じゃなくて明るく笑顔で話すしね…//
ピ「ふふっ…そうだね、僕も楽しみだったよ。終わったら外でお菓子でも食べようよ。僕が紅茶をいれるからさ!」
一秒でも多くAの近くに居たい僕はそんな提案をする。
Aは目を輝かせて、
「本当っ!?食べたい!食べたい!私ね、ピエール達とのお茶会ほんとに好きなの!!ピエールのいれてくれる紅茶は美味しいし、ミシェルも笑顔だし!ふふっ、楽しみだよ〜」
…………僕のいれる紅茶は美味しいって言ってくれた。昔はそれだけでも良かった。嬉しかった。
でも…………『ミシェル』。
やっぱり、なんでもみんなが見るのは『ミシェル』の方で、僕はおまけにすぎないのかな…
ピ「はぁ………」
僕は誰にも聞こえないような、小さな声でため息をついた。
END
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作者名：丸太。 | 作成日時：2016年6月2日 0時
