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今『困らせて、ごめんね?』



そう言って彼は凄く寂しそうに笑った。








『あ…、いや私今は恋愛とかって考えられなくて…


その……。』







今『うん。いいんだ。ゆっくりでいいからさ


俺のこと1人の男として見てほしい。
まずは、友達から。ダメ…かな?』








『えっ?ううん!全然ダメじゃないです!』







今『なら、敬語もやめてね?(笑)』







ふたりで最後にお酒を頼み乾杯をした








あれから、一緒に岩田くんの家に行き、
登坂を送り届けて私も送り届けて貰った。








部屋のベッドに座りフラッシュが点滅する
携帯の画面を開いた






《今市 隆二》







新しく私の携帯に刻まれた名前
彼の名前を見つめているとそんな彼から






《お疲れ様。ゆっくり休んでね。おやすみなさい。》







このメッセージを見ただけでわかる律儀さ
多分、いや絶対に彼は私なんかじゃ釣り合わない









《お疲れ様。ありがとう。おやすみなさい》









似たような文面だけどそう返信をいれて
ソファに腰掛けながら、水を口に運ぶ







『登坂…大丈夫かな。』









あまり酔わない登坂があれだけ酔ったのが
とても気がかりで、連絡をしてみたわたし









《大丈夫?呑みすぎた?とにかくゆっくりしなよ》








送った直後に震える携帯




«もしもし?俺…。悪い。つか助けて…»






『は?!どこいんの?え?ちょ…登坂?!』








そう言って立ち上がった時に玄関のほうから
物音が聞こえ、恐る恐る近寄ると耳から聞こえてくる
アイツの声とドアの前の声が一致した







『ちょ!なにしてんのよ!登坂!』






登『うぅぅぅ…。きもちわりぃ…。』





そんな登坂を抱き抱えてトイレに連れていき
その間に私は水を用意してトイレの前で座り込む






しばらくして、スッキリした顔で出てきた登坂
水を手渡し飲み終えた彼からコップを受け取る







『大丈夫?っていうか、何であそこにいたの?』







黙りこくる登坂。目を伏せて下を向く彼は
怒られた子供みたいで少し可愛いと思った






そんな彼を無視してリビングに行こうと足を
出した途端後ろから包まれる私。









登『隆二ばっか…。俺妬くつってんじゃん。』






私は、そんな彼を振り切りベッドへ潜り
いつの間にか落ちてしまった。







登『俺以外のやつの所いくなよ…。』







そういった彼の声には気が付かなかった。

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作者名:ちゃむ | 作成日時:2017年6月15日 0時

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