雷柱、子供ができたようです。【完結】

22話 ページ23

善逸side


俺in布団。


とっても暖かくて気持ちがいいんだ……。このまま寝ていたい……。


隣ではAがもう爆睡状態。なんか寝顔が可愛い。


鎹鴉「カァーー！！伝言！伝ォ言！！」


「うわっ！びっくりした……！！急に来るなよなー」


静かな朝に鎹鴉が大声で急に現れたので、半泣きで俺は声をかける。


鎹鴉「柱ハァ！！今から壱時間半刻後ニィ！！産屋敷邸ニ着イテイルコトォ！！カァァ！」


「あ、柱合会議かな……？まぁとりあえず、支度しないとね」


鎹鴉「時間厳守、時間厳守ゥ！！」


鎹鴉はそれだけ伝えると、そのまま飛び去っていった。


チュン太郎……来なかったな。


あ、あの鴉は産屋敷邸に仕える鴉かな？


成程ね。


そう思いながら、俺は準備を済ましていた。



A起こした方がいいかな……そう思って、優しく、「Aー」と呼びかける。


A「んぁ………善逸……？おはよぉ………」


Aは寝惚け半分で目を擦りながら挨拶する。


「A、俺、今日ちょっと用事あるから……家、少しの間空けとくね？」


A「………ん………わかったよぉ………」


さてと、と俺が部屋から出ようとすると、Aが後ろからギュッと抱き締めてきた。


「？どうしたの、A？？まさか、俺が出かけるのそんなに嫌ー？可愛いなぁー」


俺がデレーっとした顔になると、Aは、「善逸ー……、いってらっしゃぁい………」と眠たそうに呟く。


A「ここに座ってぇ………」


「？」



Aに言われるがまま、座ると……Aは、俺に膝枕させてきた……！！


俺がワタワタと顔を赤くしてると、Aが覆い被さるように俺の顔を上半身で包んだ。


A「うわぁ………善逸って暖かいね………全然冷たくない………」


!!??え、ちょ、A!!!??俺の顔に、Aの上半身当たってるよ！？いやそこが問題じゃなくて、胸が、俺の顔に当たってるんだよ！！？大丈夫なの！？年頃の女の子って、そういうの嫌がらないの！？殴るよね、普通！？


俺が「Aッ！？」と慌ててると、Aは俺の顔を自分の顔に近づけて、「静かにー……、朝だからねー……？」となんとも可愛い顔で言った。


いや恥ずかし……でも、Aが可愛い……


その後もずっと膝枕させてくれたから、甘えてたら、少しギリギリの時間に産屋敷邸に着きました……。まあ、こんな日もあるよね。

23話→←21話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す