検索窓
今日:21 hit、昨日:77 hit、合計:434,926 hit

41 ページ44

目の中いっぱいになった涙は
ぽろりと落ちてそれが止めどなく溢れてくる。


急に泣き出したAに焦っていると
口を開いた。


「サッチぃ、、、帰りたいよぉ、、、みんなに会いたいよ、、、、さみしいよぉ、、、」



ズキリと胸が痛んだ。
そりゃそうだ。
知らないうちに船に飛ばされて、仲間とは
離れ離れ、仲間の安否が分かれねぇ、それで、その船で好きになっちまった
男に邪魔だな何だの言われて…
俺だったら即刻飛び出してる。



何も声をかけてやれなかった。
なんて言ってもこいつの慰めにならねぇ気がして。
おい、サッチ!!ここでお前の軽口が役に立つんだろ?!なんて心の中で自分を責め立てたが
何も出てこなかった。



_______
Aside


その日を境に
マルコと話さなくなった。


だって気まずいし、
それにマルコは多分私と話したく
無いんだと思う。


はぁ、とため息をつき
変身した姿で甲板に出て日向ぼっこをしていると
もふもふと少し強い力で撫でられた。


ビスタだ。



「なーに。」


ビスタから目を逸らしながら聞くと
どかりと寝ている私の横に座った。


ビ「最近元気がねーと思ってな」


「元々こんなんだよ」


床に手をついていたビスタの腕に頭を擦り
つければ、ははっと笑って丁寧に頭を撫でてくれた。


ビ「猫もたまには良いもんだな」


「猫じゃ無いもん。」


ふんすと鼻を鳴らしビスタの太ももに
頭を乗せる


ビ「俺から見りゃデカイ猫だぜ」


「んもぉ、猫でいいよ」


にゃーんと鳴いてみせると虎が可愛らしく鳴いているのがツボだったのか笑いはじめた。


しつれいだな。


ビ「お前は立派な俺らの兄妹なんだから兄の事たまには頼ってくれよ」


そう言って強めに頭を撫でた。


「…ねぇ、ビスタ?」


ビ「ん?」


「好きな人を振り向かせるにはどーしたらいいの?」


ビスタに聞いてみようと
そう言うと
ビスタは驚いた顔をしたけど
ガハハと笑った。


ビ「好きなやつができたのか?!」


「好きなやつっていうか、私そーゆーのあんまわかんないからさ…でも多分これは恋なんだと思う!」


変身を解いてぎゅっとビスタの手をにぎる


ビ「え?俺のこと好きなのか?」


「ちっがうよ!!!」


ぽっと顔を赤くしていうビスタ。
違うわ!!


ビ「なんだよ。つまんねーな。」


「つまらなくない!!ちゃんと聞いて!」


はいはい。と言うとビスタは
静かになった

42→←40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (145 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
634人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

にゃんこ - サッチのことフランスパンが面白いですw (2022年8月20日 21時) (レス) @page15 id: 77649d8a4f (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - レイリーって髪、金髪じゃなかった?(若い頃) (2021年9月12日 8時) (レス) id: f44474d541 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - かみちゃろさん» 教えていただきありがとうございます!更新頑張ります! (2021年3月17日 0時) (レス) id: 5da02445ea (このIDを非表示/違反報告)
かみちゃろ(プロフ) - 14の後が17になっています!面白いので更新楽しみにしてます! (2021年3月16日 23時) (レス) id: 9cf1d8873d (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ちりさん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2021年2月5日 8時) (レス) id: 5da02445ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふしちょーサン | 作成日時:2020年8月2日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。