紫爛花

紫の花に止まる蝶 ページ25

「A、お願い！」

「絶対に無理！」

「一日だけだから！」


遡ること数時間前…


今レペゼン福岡おると?

長い旅路の中、
日本についたのはぐるっと1日回ってお昼。
海豚やでみんなでラーメンを食べていると
1人の友達からの通知か届いた。

あぁ、そうか。ストーリーか。
チバニャン含め全員のインスタをみると
飛行機でちょっかいかけてるメンバーや
「解散ライブぶり！」「ラーメンなんてほぼシ○ブ！」
といった赤丸のストーリーが並んでいた。


「おるよ。」と返すと

それはAも帰ってきとーってこと?!



と通知が来たので

そうだよ。



と返した。


これはそれから数時間後のお話である。


地元で仲良かった子は皆色んな道に進んだ。
久しぶりに会うと、キャバ嬢になった友達は
いつのまにか店長になっていて驚いた。感心した…


「いや、それとこれとは別。」

「大丈夫だよ、Aはオーナーにも気に入られとーし！」

「話聞いとった？！」


どうやら、出勤予定の子が数人コロナにかかったらしい。
急な休みの穴埋めのためにみんな回っとって、
夜職業界は今本当にに大変状況なんだと。

たしかに昔、キャバクラにはスカウトされとった。
でも、絶対やりたくなくて…
(※もしかして：脇「ギャルはあんま好きじゃないとよ。」発言。ページ16参照。)

見える、この右手？
己の異常な治癒力でだいぶ動かせるようになったけど、
まだ不自由なの。と問うても

「Aしか頼れる人いないの…」の一点張り。


昔は脇のこと気にしてやらなかったけど
今は、絃歩のために、やりたくないんだよ。

しかも、よりによってなんで絃歩が
昔ボーイで働いとったお店なんですか。


「(ピーー)万出すよ。」

「ひぃ゛。」


思わず変な声が出た。
0を覗いた指の本数を顔の前に出される。


そんな大金が1日で動く夜の世界にやっぱ驚いたけど
社長の抱えている借金のことが頭によぎった。
インドネシアで沢山迷惑かけて、役にも立てなかった。



「分かった。」

「え。」

「まじで、1日だけでもいい？」

「本当！？」


話は進み裏側に通されると

「今日はＮｏ．1の子の代理ったい！」

やっぱ無理。って言おうとする前に
埋めないと損失やばいんだから。と丸められる。

業界の常識も理もわからんので、
メイクしてもらってるとスーツのオーナーが降りてきた。


「あれ？Aじゃん！」

「オーナー！今日から働いてくれるって！」

「今日だけったい！！今日だけです！」



これからどうなる超未知数…

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