#2 ページ49
「Aちゃんっていつもどうやって来てるの？」
「二駅向こうから電車ですよー」
「え、危ない！俺が送ってってあげる！」
心配性すぎな貴方は電車に乗せるのを嫌がるみたいで
これはまだ井ノ原さんと付き合うことになる１年前、
私が入社したてでお互いをあまり知らない頃。
春の昼下がり、何気ない会話の中。
「会社から交通費も出てますし、そんなのダメですよ！」
「もう、正論で返さないでよー！」
「ええ…」
でもねよしくん。わたしね、
まるでか弱い女の子みたいで何だかちょっぴり嬉しかったよ。
５月も中旬を淡々と過ぎ、
桜が新緑に変わって夏に向かおうととしている。
今日はそんな景色を見ながら一年前の日のことを思い出していた。
先週の日曜、鉄腕DASHみながらよしくんが
「うわ、白菜餃子うまそーーう！」って言ってたのを思い出して、今日は野菜が安い大学の近くのスーパーに寄って帰ることにした
昨日も豪華で今日も豪華にしたら、流石に快くん嬉しくて泣いちゃうんじゃないかなあって、微笑んじゃう。私の生活はいつだって、彼中心に回っている。
快くんAちゃん、いまどこにいる?
貴方のことを考えてたら、通知が来ていたので
スーパーで買い物してますよ。
と返したら、電話がかかってきた。
「もしもしっ、Aちゃんっ…」
「え、快くん？走ってるんですか？」
「スーパーって…家の近くのスーパーに、いるよね？」
「いえ、営業先の帰り道だったので、大学の近くのスーパーにいますけど…」
「…！車？車で行ったなら、早く会社に来て！」
「え、どうしたんですか？」
「あー、うーん。忘れ物してるから！？」
かなり息が切れていて、忘れ物？
辻褄の合わないよく分からないことを言っている。
とりあえず戻るけれど、何かあったのだろうか。
「今日は、わたし車じゃないですよ？」
「え、？」
「だって快くんがそう言って昨日、手前側に停めてたじゃないですか。」
私たちの住む井ノ原家は車庫が２台分の縦長になっている。
明日は私が営業で電車使うから、俺がラパンちゃん(私が最近やっと買えた中古の車)の前に停めちゃうね〜。って言ってたじゃないですか。
「じゃあ、俺が今からそっち行くから！Aちゃんがまだそっち住んでる時にデートの待ち合わせしてたとこ、分かるでしょ？そこにいて！そこなら人通り多いから！」
そう言って電話が切れたので
言う通りにデートの待ち合わせでよく使っていた駅の時計台の下で待つ。快くんの焦った様子に心配を背負いながらも、この時はまだ呑気に大学時代見ていた生活圏の景色に、懐かしんでいた。
作者（移行について）→←#1 Green （Good life）
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珊瑚(プロフ) - pipi_kpさん» コメントありがとうございます(*´˘`*)♡職場にV6を上司に欲しいですよね(´TωT｀)これからも楽しんで頂けたら幸いです＜(_ _)＞ (2022年2月17日 23時) (
レス) id: 50e08aa314 (このIDを非表示/違反報告)
pipi_kp(プロフ) - こんな上司たち、かっこよすぎる。憧れます……！！！ (2022年2月17日 21時) (レス) id: acd025d66c (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚(プロフ) - ◎さん» コメント&嬉しいお言葉ありがとうございます；；楽しんで頂けて嬉しいです(*ˊᵕˋ*)2月からまた更新再開していくので、これからもご愛読頂けると嬉しいです☺️ (2022年1月24日 16時) (レス) id: 50e08aa314 (このIDを非表示/違反報告)
◎ - 6人のそれぞれの魅力が楽しめられて、いつもにやにやしながら、何度も読み返させていただいてます!素敵なお話をありがとうございます。無理せず、珊瑚さんのペースで頑張ってください!!陰ながら応援しています🙇 (2022年1月23日 0時) (レス) @page15 id: 20f3b31112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珊瑚 | 作成日時：2021年3月4日 22時
