#1 Blue （pineapple） ページ44
「ん〜！みずみずしくて美味しい！」
「ほんと、美味そうに食うよな(笑)」
「見えますか？すっごく綺麗なメロウイエロー色なんですよ〜」
画面の向こう、見慣れた朝陽の差し込む部屋で
パイナップルをフォークに差し見せびらかし笑う
彼女による今日の朝ごはん紹介が始まるらしい。
「ほんとだ、綺麗な夏のパイナップルだね」
「お義母様が送ってくださったんですよ」
「え、おふくろが？｣
「今朝、季節のお野菜と一緒に届いたんです」
画面に移るのはトマトにピーマンにレタスに...
ああー、ほんとに実家の八百屋の野菜だわ。
俺の知らないとこで何してんだ母親。
そしてちゃっかり女子同士仲良くなってるところもAらしい。
「その膨大な量をどう料理するんだ？」
「そういえば、私食べる専門じゃないですか！」
「冷蔵庫に入り切らないやつだけでも調理しないと、３日で腐っちゃうよ。」
「昌行さんの作る料理が食べたいのにー！」
「もう、我儘言わない。俺今そっちにいないんだから。」
言った後に、やってしまったことに気づく。
一瞬だけお互いの間で沈黙が流れて、
Aの笑顔の中で小さな寂しさが顔を覗かせた気がした
でも、君はそれを笑顔の奥にグッと堪えて隠す。
「...そうですよね！じゃあ今晩は夏野菜カレーにしようかな〜」
「...」
その悲しそうな小さな肩に手を伸ばし
一秒でも俺の傍に引き寄せられたならいいのに
今、俺がどんなにその寂しさを消してあげたいか。
「ぺちょさんは元気に朝のお散歩行ってきたんですよ〜」
「へえ、いつも朝は眠たがるのに珍しいな。」
「ご飯も美味しかった？「ワン！」」
「ぺちょー。お前さては、Aと二人きりで楽しんでるな〜？」
「ふふ。でも昌行さんのお部屋からは雨の音が凄い聞こえます」
「ああ、夕方からすごい雨でな。そっちだと...そろそろ、Aは家出る頃だろ？大丈夫か？」
「あ！ほんとだ、家出ないと！」
画面から姿は消えたけど、聞こえてくるフローリングを歩く足音ですら愛おしい。君の歩き方も、笑う声も、甘い果実のような笑顔も思い出せる
「じゃあ、会社に行ってきますね」
「うん、風邪ひかないように気をつけるんだよ。」
「昌行さんも、仕事で疲れてる中ありがとう。」
「Aこそ。頑張って、行ってらっしゃい。」
こちらの時間軸からは今夜も、手を振って画面を消した。
一人きりの部屋、暗がりの中
カラン...とビールの空き缶が響いて落ちた
今の俺には酒で寂しさを紛らせるしかできない
今日もどうか、彼女のその小さな肩が
突然の雨に濡れませんように。
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珊瑚(プロフ) - pipi_kpさん» コメントありがとうございます(*´˘`*)♡職場にV6を上司に欲しいですよね(´TωT｀)これからも楽しんで頂けたら幸いです＜(_ _)＞ (2022年2月17日 23時) (
レス) id: 50e08aa314 (このIDを非表示/違反報告)
pipi_kp(プロフ) - こんな上司たち、かっこよすぎる。憧れます……！！！ (2022年2月17日 21時) (レス) id: acd025d66c (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚(プロフ) - ◎さん» コメント&嬉しいお言葉ありがとうございます；；楽しんで頂けて嬉しいです(*ˊᵕˋ*)2月からまた更新再開していくので、これからもご愛読頂けると嬉しいです☺️ (2022年1月24日 16時) (レス) id: 50e08aa314 (このIDを非表示/違反報告)
◎ - 6人のそれぞれの魅力が楽しめられて、いつもにやにやしながら、何度も読み返させていただいてます!素敵なお話をありがとうございます。無理せず、珊瑚さんのペースで頑張ってください!!陰ながら応援しています🙇 (2022年1月23日 0時) (レス) @page15 id: 20f3b31112 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珊瑚 | 作成日時：2021年3月4日 22時
