貧血少女の秘密 3【ky】 (ページ9)

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九話ページ9

翌日

私は美咲がフジ君に何か酷いことを言われたのではないかと思い、直接フジ君に聞いてみることにした。

しかし、フジ君のもとへ行こうとすると、やはり仲がいいだけあってキヨ君も近くにいた。

…おかしい。血を飲み過ぎた訳でもないのに心臓の動きが早い。

でも、美咲のためだ。私の事なんか気にしている場合ではない。

『ふ、フジ君！』

「あ、暁さん…？どうしたの？」

二人とも若干驚いているようだ。
いつもなら私がキヨ君に話しかけるからだろうか。

『あ…えっと、昨日って美咲と話した？』

「えっ…うん、話した…けど…」

反応が怪しい。やはり何か言ったのだろうか。

何だか探偵みたいで楽しい。

口元がにやけている気がするが気にせず話を進める。

『どんな話を？』

「え！…何でそんなこと聞くの…？」

仕舞った。

『あ、いやっ、答えたくなければ答えなくていいよ！ご、ごめん！そんなこと私に教える必要ないもんね！ごめんね！』

何てこと聞いてるんだ私は、何が探偵だ！
探偵ならこんなミスはしない。

この質問はしてはいけなかった。

私だって昨日のことを聞かれたら答えられない。美咲のためと言ってもフジ君に酷いことをした。申し訳ない。

誰かの力になりたいなんて…。

やっぱり私には無理なんじゃ…。

「おい」

そんなことを考えていた私に対する呼びかけはいつものような優しい声ではなく、怒りを込めたような低い声だった。