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十七話 ページ17

翌日


教室に入ると、キヨ君と目があった。

何故か恥ずかしくなり、そっと目を反らし席に着いた。


座ると、目の前にキヨ君らしき人の姿が見えた。
座っている私からはおなかの辺りしか見えないが。

すると、キヨ君らしき人が私の机をバンッと、叩いた。


『!!?』


驚いて顔を上げるとやはり相手はキヨ君で、怒っているのか何なのか、不安になる。


「A!」

『は、はい!』


突然名前を呼ばれたため、取りあえず返事をした。

そして、座っている私と目線を合わせるためにしゃがみこんだ。


「…この勝負って結局どっちが勝ちなんだ?」

『…え?』


昨日の話から、結局私が負けだと思っていた。


『キヨ君が勝ったんじゃ…』

「でも、俺だってもっと前に告ってんじゃん?」


そう言われれば。(前編最終日より)


『…引き分け?』

「えぇ!何か微妙!」

『だって、もとからこの勝負は勝ち負けなかったと思うよ?…結果的には二人とも景品が得られる訳だし…』

「…そうだけど……あ。」


キヨ君は何かに気付いた様子で、一瞬周りを見てから私の耳元で囁いた。


「どっちが先に“好きな奴にキスするか”ってのでは俺の勝ちだろ?」


耳元にかかる息がくすぐったいのと、昨日の事を思い出したことで顔が熱くなる。


『そ、そんな勝負は…っ』

「昨日始めて昨日決着が着いた。」

『…し、勝負が始まってるのを知ってたら私だって…!』

「へぇ…」


キヨ君が不敵に笑い、提案してきた。


「じゃあ、今から“どっちが先に二度目のキスをするか”!勝負開始!」

『!…が、学校だよ!?』

「別に良くね?」

『良くない良くない!』

「じゃあ、これも俺の勝ちかな〜」

『!!』


それは嫌だ!連続で負けるなんてこと私のプライドが許さない!


まだ、授業まで時間はある。


立ち上がり、キヨ君の腕を引く。


「え、どこ行くんだよ!」

『どこでもいい!』


人がいないところなら…頑張れば…きっと…多分…出来なくもない…はず…?

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作者名:璃音哀 | 作成日時:2017年6月28日 17時

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