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十五話 ページ15

…え?


『な、何を…』

「だーかーら!俺のこと好きかって聞いてんの!」

『っ!…そんなの…だったらキヨ君は…私のこと好きな…の…』


何聞いてんの私!!


「好きだよ」


え…今何て?


「俺はお前のこと好きだぜ?…って…前も言ったよな…」

『…そ、それは私も…そうですけど』

「そうって何?」


…これは…“好き”と言えってことだよね…?


『…好き…です…』

「誰のことが?どういう意味で?」


ニヤニヤしながら聞いてくる。

さっきの私の気遣いは何だったの!?


『……キヨ君のことが…血のためじゃなくて…大切な…“人”として…好き…』


キヨ君は満足そうに笑い、私の頭を撫でてきた。


『…そ、それじゃあキヨ君は?』

「ん?…好きだよ。大事な大事な彼女として」


…彼女?




.





.




.





.





.




.




「俺と付き合ってよ…A…」


…付き合う…?


『…っ…はい…』

「…いいの?」

『え?…う、ん…』

「っ!…よかったぁあ!!」


えぇ!?そんなに自信なかったの!?


「付き合ったってことは何してもいいんだよな!」

『そういう訳じゃ…』


明らかにテンションが上がっているキヨ君。


「えー…これも駄目?」


またキヨ君の香りが強くなった。近付いたってことはわかっていた。きっとまた抱きしめてくるんだろうと思っていた。


でも…抱きしめる時と近付き方が違ったことに私は気がつかなかった。

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作者名:璃音哀 | 作成日時:2017年6月28日 17時

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