貧血少女の秘密【ky】 (ページ38)

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三十七話ページ38

＊キヨside

「ん…」

ここは…病院か。

たしか、Aに血ぃ飲まれて…血が足りなくなったのか。

起き上がろうとしたら右側が重い。

そこに視線を移せば予想通りAが眠っていた。

看病してくれたのか。

…大丈夫か？罪悪感とかに溺れてないだろうな。

俺はAの髪に触れた。

…綺麗だな。

前に一度口に出してしまった。

たまに俺は口が滑る、可愛いとか言ったこともあったし。

…俺はAの事が好きだ。

ちゃんと女として。

Aは他の女とは俺の見方が違う。

他の女の殆どが憧れとして俺を見ていた。

でも、コイツは違う。

俺をライバルとして見てる。

俺を認めてくれるやつは沢山いた。

俺はずっと桁外れな学力と身体能力で周りと同等に戦えることが殆どなかった。

正直言って、つまらなかった。

Aと出会うまでは。

最初は俺と同じレベルで戦える奴なら誰でもいいと思っていた。

けど、Aは俺が満点を取ったからと言って諦めるわけではなく、自分も満点を取れるよう努力した。

今まで俺が競った奴らは皆諦めて、俺の下に付いた。

俺を下に見ることもなく、自分と同じように見ることもなかった。

Aは他の奴らとは違う。

俺は、諦めずに立ち向かってきて、自分の出来る精一杯のことをしようとするAに惹かれていった。