貧血少女の秘密【ky】 (ページ31)

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三十話ページ31

涙が止まった。

「…泣き止んだ…？」

『…な、何かごめん…』

「別にいいけど…。」

凄い恥ずかしい。人前で泣くとは…とんでもない失態だ。

…それより…

『私…皆の役に立てた…かな…』

「…役に立つって？」

『…私、吸血鬼のせいで貧血だから…ずっと色んな人に迷惑ばかりかけてたから…。
いつか…人の役に立つような事がしたいと思ってたから…』

「…役に立ってるよ、ずっと」

『…え』

「てか、役に立たない人間なんて存在しねぇだろ。って俺は思う。

…例えば誰かに役に立たないって言われたとしても、

相手もそんなことを気付かせてくれたっていう役に立ってるし、

自分だって相手にそう思う事を教えてやったんだから役に立ってんじゃん？

そういうちょっとしたことでも役に立つことがあるんだ。

だったら今まで生きてきた中で役に立ったことがない！何て人間いないだろ？

…お前だって、こういう…役に立つ、立たないってことについて俺に考えさせてくれたり、

最後まで頑張ってバトン届けてくれたりで役に立ってるよ。心配すんな。」

彼の言葉でどれだけ安心出来たかなど言うまでもない。