貧血少女の秘密 2【ky】 (ページ21)

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最終日　5 ページ21

「えっと…リア充っていうのは…」

皆私の質問に困っているようで、まともな返答が返ってこない。

すると、ヒラさんが…

「Aちゃんみたいな人のことだよ。現実を楽しんでる人」

現実を楽しんでる…。

今までは私…楽しめてなかったけどな…。

吸血鬼の遺伝子の所為で、友達も美咲しか出来なくて…、美咲も叔母さんが美咲のお母さんの友達で私の実力じゃない。

『ヒラさんは…嫌いなんですか…？』

「…嫌いなのかなぁ」

『…なら、好きになりましょう。私達と現実を楽しみましょう』

立ち上がりヒラさんに近付く。

「え…何言って＿」

少し驚いた様子のヒラさんの手を取り言い放った。

『私達と一緒に文化祭楽しみましょう！』

皆驚いているけど、早くしないとこんなに楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまうのだから。

『皆で回らない？』

キヨ君の方を見て問いかける。

一瞬顔をしかめた気がしたが気のせいだろうか。
すぐに笑顔になり、

「おう！」

と、言ってくれた。

きっと人数が多い方が楽しいはず、まだまだ回っていない所が沢山あるのだ。

最終日、満喫しよう！

今はまだ13時。あと…約６時間。

＊キヨside

結局あいつらと回ることになってしまった。

何で俺はこういうときちゃんと断れねぇんだよ！
こうなってしまってはヒラの思う壺だ。

どうにかして夜には二人きりになる！

さっきAがヒラの手を掴んでいたのが何だか気にくわず、Aの手を掴んでいた。

『ん？』

「あ！…わりぃ…」

咄嗟に手を離すが、今度はAが俺の手を掴んできた。

『早く行くよ！』

俺よりも小さく、細い手が。

暖かく、何故か俺を安心させてくれた。