最終日 1 ページ17
今日は文化祭最終日です。
『…やっと最終日だぁ！』
「そんなに嬉しいか？」
『今日まで他のクラスほとんど見れてないんですよ』
「うっ…だって最終日にとっておきたかったんだから仕方ないだろ。」
『奢って貰います』
「はぁ！？なんでだよ！」
ん？でも、勝って貰ったのもあるし、寝てる間に血を飲んだし…。
奢るべきは私なのでは…。
『いや…冗談、私が奢る』
「は？…え。いや、いいよ」
『え、何さっき嫌そうだったのに』
「別に…。…もう行くぞ！」
顔を背け腕を引くキヨ君。
『あ、ちょっと…！…怒ってるの？』
「は？怒ってねーよ！早くしないと全クラス行けねぇだろ」
ほう…
『楽しみにしていたわけだ』
「はっ！ちげぇし！」
腕を引かれる状態のため顔はよく見えないが、頬が赤くなっているのがわかる。
そんなに文化祭楽しみなのかなー。
キヨ君も他のクラス行けてなかったもんね。
『楽しもうね！』
「あたりめーだ！」
＊ヒラside
うわー。もういい雰囲気になっちゃってるよ。
「フジー、どうしようか。これだとただの尾行になっちゃうよ」
「もうそれでいいんじゃ＿」
「何？フジは俺の味方じゃないんだ」
「そうじゃないけど…」
俺が邪魔したいのは、まぁ勿論全部なんだけど、その中でもラスト。
夜に打ち上げられる花火。
よくある二次元文化祭イベント。
嫌なことにこの学校にもある。
その花火を見た恋人は幸せになれるという地上最悪イベント。
所詮そんなものは学校の生徒が考え出した七不思議。
でも、それを見た恋人の幸せそうな雰囲気を見るだけでも吐き気がする。
「絶対に阻止してやる…」
視線の先にいる二人を睨みながら呟いた。
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作者名：璃音哀 | 作成日時：2017年4月25日 22時
