乱歩さんが不憫すぎる件について

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帰宅後、私は悶々とした気持ちと奮闘していた




『あ、あー、お腹いっぱい〜』




「うん、そうだね。今日のビーフシチューは特別だよ！」




『とととと特別！？』




「？、うん、美味しかったよ」




『え、あ、あぁ！そうだね、美味しいね、ありがとうございます！』




「……うん」




い、今の沈黙は何だったんだ




分かってます、怪しまれてることぐらいね！




それでも全力で知らないふりをする私って、何だか……




けどこんなことを考えていたらキリがない、自分から行動しなければ




『じゃあ洗い物してるから、先にお風呂入ってて』




「いや、でもテレビ…」




『入ってて！…くださーい』




あからさまに怪訝そうな顔をしたものの、乱歩くんは大人しくお風呂へと向かっていった




ふぅ…、これからの作戦はある程度考えておいた




夕食を終えたあと、まずは乱歩くんを先にお風呂に入らせ、その間に私は食器を洗っておく




ポイントはそれ以外何もしないこと！




乱歩くんがお風呂から上がってきたら、少し残した洗濯物の片付けに取り掛かり、そのときに乱歩くんの寝る身支度を終わらせる




全てを見届けたあと、私はお風呂に入る




そして上がってくれば乱歩くんの眠気はもう限界、夜間ルートは回避というわけだ




「ねえー、バスタオルが無いんだけど！」




『い、今持っていくから！』




少々声が裏返ってしまったが、今更乱歩くんが何を思おうともう遅い




私の手の中に収まるのだ！




『乱歩くん、ここに置いておくか、ら……！？』




「あぁ、うん。ありがと」




反射的に目を背ける




状況を理解するのには難しいシチュエーション




『えっと…！？な、何で…』




「なんでって？もう上がるからだよ」




『いや、いくら何でも早すぎない！？』




「そんなことないと思うけど？時計見てみなよ、15分くらい経ってるし」




乱歩くんにしては早いと思うが反論の余地がない、私はいつも10分くらいで上がるからだ




いつの間にそんな…、余計なことを考えていたせいで…！？




「それにしても…、何をそんなに焦ってるわけ？何かをさせないために頑張ってるようだけど？」




目の前の壁に乱歩くんの手が置かれる




え、タオル付けてる乱歩くんに壁ドンされてるコレってなんですか？

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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中島敦

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