【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ9)

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月夜百三十一夜目ページ9

ーー次の日

はやる気持ちを押さえて、登校する

『浅葱未月こと十五夜未月は、PANDORAプロジェクトの被験者であった』

この仮説が、遊作を珍しく動揺させていた
もし、本当に十五夜未月=浅葱未月なら、彼女も十年前の事件の被害者である、ということになる

一応草薙には十五夜未月と浅葱未月、それぞれの情報調べを頼んでいるが……まさか知り合いが、だなんて、できれば信じたくはなかった

(これ以上、被害者を増やさないためにも、アイツに確認しなくては……！)

だがしかし、現実というのは非情なもので

「……浅葱は休み、なんですか？」

「ん？あ、あぁ。昨日の夜、いきなり浅葱の家族から学校に電話が掛かってきてな。体調不良で学校にこれそうにないから、暫く休むらしい。結構前から病院に運ばれたりして、休みがちだっただろう？やはり、高校に入って無理していたんじゃないか？

で、お前の家、浅葱の家と近いから、今日配る重要なプリント類なんかを届けに行って貰いたいんだが……」

「……そうですか。分かりました」

担任からの情報提供に適当に感謝しつつ、遊作は考え始める

(この時期に休み……。なにか、あったのか？もしかして……)

最悪のパターンはフラッシュバックで倒れ、誰も助けに来なかった、だが、家族から連絡があったのならそれはない
やはり、本当に体調不良なのか……

「はいはーい、席につくー」

考えられるパターンを思い付くだけ考え、即座に否定していくのを繰り返していると、気がつけばいつの間にか担任が教壇の上に立っていた
教師の一喝で途端に騒がしさを失うクラス。バタバタと急いで自身の席につき、皆が揃った所で一礼する

「あー、うん。えーっとね、今日は新しいクラスメイトを紹介する。本当なら１つ上のクラスの筈なんだけど、体調の都合上、一学年落とした上で復学してきたらしい」

「「えーっ！？」」

前日予告無しの転校生。クラスの皆は驚き、またザワザワし始める
だが、遊作はそれどころではなかった。先程中断された未月が休む理由として考えられるパターンを思い付くだけ考え、即座に否定していくのを繰り返す作業に、また没頭していたからだ